セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)8

タイトル 消P-575:

当院における高アミラーゼ血症および膵炎を併発した炎症性腸疾患の検討

演者 有廣 誠二(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 猿田 雅之(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 菰池 信彦(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 板垣 宗徳(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 中尾 裕(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 高倉 一樹(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 荒井 吉則(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 井出 大資(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 岩崎 哲良(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 光永 眞人(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 松岡 美佳(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科), 加藤 智弘(東京慈恵会医大・内視鏡科), 田尻 久雄(東京慈恵会医大・消化器・肝臓内科DELIMITER東京慈恵会医大・内視鏡科)
抄録 【背景】潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)に代表される炎症性腸疾患では、高アミラーゼ血症や膵炎が併発することは知られている。病因としては、十二指腸狭窄病変の存在や治療薬の影響、胆石症、腸内細菌、微小循環障害、脱水、遺伝的素因などが考えられている。【目的】炎症性腸疾患患者において、高アミラーゼ血症および膵炎を併発した患者の背景、原疾患の病型・活動度、治療法について検討した。【方法】当院通院中のUC326例とCD94例を対象とした。【成績】UC39例(12%)に高アミラーゼ血症を認めた。男性21例、女性18例、年齢は43.4±15.9歳であった。 病型は、直腸炎型16.7%、遠位大腸炎型16.7%、全大腸炎型55.6%、全大腸摘出術後11.0%であった。治療薬は、salazosulfapyridine12.8%、mesalazine製剤(徐放製剤33.3%、pH依存型放出製剤35.9%) 、prednisolone(PSL) 28.2%、azathioprine(AZA)12.8%、tacrolimus(FK506 ) 5.1%、cyclosporine(CsA) 2.6%であった。臨床的重症度は、寛解52.9%、軽症23.6%、中等症14.7%、重症8.8%であった。うち2例は腹部CTにて急性膵炎の所見を認め入院加療を要した。一方CDでは、14例(14.9%)に高アミラーゼ血症を認めた。男性12例、女性2例、年齢35.8±8.6歳であった。病型は、小腸型14.3%、大腸型14.3%、小腸大腸型71.4%であった。臨床的重症度は、寛解50%、軽症35.7%、中等症14.3%であった。治療は全例に5-ASA製剤が使用され、抗TNFα抗体64.2%、PSL14.3%、AZA28.5%であった。【結論】炎症性腸疾患では高アミラーゼ血症だけでなく膵炎を併発する場合があるが、好発年齢と病型の点で特長があるものの重症度・治療薬とは関連なく発生する傾向があり、日常診療にて経時的な膵酵素の推移や画像検査が重要と考えられた。
索引用語 高アミラーゼ血症, 炎症性腸疾患