セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍)1

タイトル 消P-577:

当院における原発性虫垂癌4例の検討

演者 舟木 準(武田病院・消化器センター)
共同演者 高橋 周史(武田病院・消化器センター), 眞鍋 繁雄(武田病院・消化器センター), 山口 琢(武田病院・消化器センター), 岡山 哲也(武田病院・消化器センター), 中部 奈美(武田病院・消化器センター), 朴 義男(ふじた医院)
抄録 【はじめに】原発性虫垂癌は全大腸癌手術症例の0.5~1.4%、虫垂切除症例の0.02~0.84%と稀な疾患である。2005年1月~2011年12月までに当院で4例の原発性虫垂癌を経験したため報告する。【結果】症例は男性4例、女性0例、平均年齢57.3歳(35~85歳)、術前診断は3例が腹痛で来院した急性虫垂炎、1例が全身倦怠感の精査で発見された虫垂粘液嚢腫であった。急性虫垂炎と診断された3例は術中も確定診断にはいたらず、術後の病理組織診にて診断され3例とも後日に追加手術が施行(2例は回盲部+終末小腸切除、1例は右半結腸切除+終末小腸切除)された。虫垂粘液嚢腫と診断された症例は、腹腔鏡下に手術を開始したが術中に嚢胞壁が破綻したため開腹となり回盲部切除術が施行された。組織型はmod+sig1例、por1例、muc2例であった。病期は0が1例、IIが3例であった。術前の腫瘍マーカーはCEA高値1例、CA19-9高値0例であった。術後経過は病期IIの3例に化学療法が行われたが、1例は32POMに腹膜播種で再発し73POMに死亡、他の3例は生存中である。【結語】虫垂癌は術前診断および術中所見による診断が困難であり、術後の病理標本で偶然診断されることが多いため、虫垂癌好発年齢の50~70歳代の急性虫垂炎症例の虫垂切除標本の扱いは慎重に行い、適切な後療法を選択することが肝要である。
索引用語 虫垂癌, 虫垂炎