セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍)1

タイトル 消P-581:

2cm以下進行大腸癌の臨床病理学的特徴

演者 蟹江 浩(名古屋第二赤十字病院・消化器内科)
共同演者 青木 美帆(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 岩崎 弘靖(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 野村 智史(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 坂 哲臣(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 山田 智則(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 澤木 明(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 林 克巳(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 折戸 悦朗(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 法水 信治(名古屋第二赤十字病院・外科), 小松 俊一郎(名古屋第二赤十字病院・外科), 坂本 英至(名古屋第二赤十字病院・外科), 長谷川 洋(名古屋第二赤十字病院・外科)
抄録 【目的】2cm以下進行大腸癌の臨床病理学的特徴を明らかにする。【方法】対象は2006年1月から2011年12月までに外科的切除を行った進行大腸癌1096例のうち、腫瘍径2cm以下の進行大腸癌(以下小型群)96例(8.8%)である。2cm以上の進行大腸癌(以下対照群)は1000例であり、両群を比較検討した。検討項目は性別、年齢、占拠部位や壁深達度、脈管侵襲、リンパ節転移、遠隔転移などを解析した。【成績】小型群の平均年齢は70.3±8.6歳、性別は男性56 例、女性40例であり、対照群と有意差はなかった。占拠部位は直腸、S状結腸に多く、対照群と比べ左側結腸に有意に多く認めた。小型群の壁深達度はMPが65例(67.7%)、SS/A1が25例(26.0%)であるのに対し、対照群ではMPが121(12.1%)例、SS/A1が639(63.9%)と、小型群においてMPの割合が有意に高かった。組織型は高分化腺癌を49例(51.0%)と多く認めた。脈管侵襲については有意差を認めなかった。リンパ節転移例は37(38.5%) vs 455(45.5%)と対照群に多い傾向を認めた(p=0.20)が、遠隔転移例は3(3.1%) vs 166(16.6%)と対照群に有意に多く認めた。壁深達度MPの症例(小型群65例、対照群121例)を比較すると、小型群において、静脈侵襲陽性例の割合が26(40.0%) vs 29(24.0%)と有意に高く、リンパ節転移の割合が20(30.8%) vs 24(19.8%)と高い傾向を認めた。壁深達度SS/A1(小型群25例、対照群639例)でも同様の傾向を示したが、遠隔転移症例は1(4.0%) vs 69(10.8%)と有意に少なかった。【結論】2cm以下の進行大腸癌は、直腸・左側結腸に多く、高分化腺癌でMP癌の割合が高かった。同じ壁深達度での比較では脈管侵襲が多く、リンパ節転移が多い傾向を示すことから、生物学的悪性度の高さを示唆していると考える。しかし、遠隔転移については腫瘍径の大きい症例に多いことから腫瘍容積との関連が示唆される。
索引用語 大腸癌, 小型