セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(腫瘍)2
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タイトル |
消P-584:局在、年齢、肥満度からみた大腸癌の性差
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演者 |
岡本 真(JR東京総合病院・消化器内科) |
共同演者 |
松本 裕太(JR東京総合病院・消化器内科), 奥新 和也(JR東京総合病院・消化器内科), 吉原 靖典(JR東京総合病院・消化器内科), 八木岡 浩(JR東京総合病院・消化器内科), 大前 知也(JR東京総合病院・消化器内科), 赤松 雅俊(JR東京総合病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】局在や年齢、肥満度からみて、大腸癌の男女差について検討した。【対象】2006年4月から2011年12月までに行った大腸内視鏡検査11,946件のなかで診断された大腸癌症例を対象とした。局在は、右側結腸、左側結腸、直腸に分けた。肥満度は診断時のBMI(Body Mass Index)を用い、やせ群(BMI18.5未満)、標準群(18.5以上25.0未満)、肥満群(2.50以上)と分けた。【結果】(1)全体で483例534病変の大腸癌が診断された。男性336例370病変、女性147例164病変。 (2)全体での局在を男女別で検討すると、男性では、右側:左側:直腸が25%:42%:33%であり、女性はそれぞれ43%:33%:24%であり、女性に右側結腸癌が有意に多かった(p<0.001)。 (3)年齢階層に分けて局在を検討すると、右側結腸癌の占める割合は、男性では、49歳以下14%、50歳代15%、60歳代24%、70歳以上40%であり、女性ではそれぞれ25%、27%、50%、46%であり、男女とも加齢に伴って右側結腸癌が増えるが、年齢階層に関わらず女性の方が多かった。 (4)全体でのBMIを男女別に検討すると、男性では、やせ群5%、標準群69%、肥満群26%であり、女性ではそれぞれ14%、72%、14%であり、男性に有意に肥満者が多かった(p=0.004)。 (5)更に局在に分けて検討すると、肥満群の割合は、右側結腸癌で男性32%、女性12%であり、男性に有意に肥満者が多かった(p=0.004)。一方、左側結腸・直腸癌では、男性23%、女性16%で肥満群の割合に差はなかった。【まとめ】女性に右側結腸癌が多い。男女とも高齢になるほど右側結腸癌が増えるが、年齢階層に分けても、同様であった。全体では女性より男性に肥満者が多かったが、特に男性の右側結腸癌に多かった。肥満は男女ともに大腸癌の危険因子であるが、男性の右側結腸においてより強く発癌に関与している可能性が推測された。 |
索引用語 |
大腸癌, 性差 |