セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(腫瘍)2
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タイトル |
消P-585:大腸腫瘍と肥満との関連における性差
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演者 |
播磨 郷子(山口大・消化器病態内科学) |
共同演者 |
橋本 真一(山口大・消化器病態内科学), 柴田 大明(山口大・消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大・消化器病態内科学) |
抄録 |
【背景】近年,食生活の欧米化に伴い大腸腫瘍と肥満との関連性が本邦でも報告されている.冠動脈疾患や脳血管障害では,肥満との関連性だけでなく性差も明らかになっているが,大腸腫瘍と肥満との関連における性差については,十分に検討されているとは言えない.【目的】大腸腫瘍罹患率とBMI,腹囲,体脂肪率の関連における性差について検討する.【対象・方法】2009年4月1日から2011年11月31日までに当院で施行した下部消化管内視鏡検査のうち40歳~80歳でBMI・腹囲・体脂肪率の測定が可能であり,進行大腸癌の既往および今回診断された進行大腸癌,炎症性腸疾患,末端巨大症,家族性大腸腺腫症を除外した男性370例,女性315例の計685症例について検討した.早期癌を含む腺腫性腫瘍性病変およびそれらの既往を有する者を大腸腫瘍罹患群と定義し,非罹患群を上記以外とした.【結果】大腸腫瘍罹患率は男性が55.1%(205/372例),女性が31.4%(99/315例)と男性で有意に高かった(p<0.001).性別ごとに大腸腫瘍罹患群と非罹患群を比較したところ,男性において,BMI 23.5±3.1 vs 22.4±2.8,腹囲 85.9±8.9 vs 81.5±8.0,体脂肪率24.0±5.2 vs 22.0±5.6といずれも大腸腫瘍罹患群で有意に高値であった(p<0.001).さらに年齢,BMI,腹囲,体脂肪率の多変量解析でも,腹囲で有意差(p<0.01)を認めた.一方,女性では年齢(64.1±9.6/61.4±10.3)と体脂肪率(32.6±5.5/31.2±5.8)において大腸腫瘍罹患群と非罹患群で有意差(p<0.05)を認めたもののBMI,腹囲では両群に差を認めなかった.【結語】男性では大腸腫瘍と肥満との強い関連性が示唆され,腹囲が最も重要な因子と考えられた.女性では年齢と体脂肪率が大腸腫瘍罹患リスクとの関連を認めたが,BMIや腹囲との関連はみられなかったため,より効率的な大腸癌検診を行う上で,性別やBMI,腹囲,体脂肪率を考慮することは有用であると考えられた. |
索引用語 |
大腸腫瘍, 性差 |