セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(腫瘍)2
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タイトル |
消P-587:側方発育型大腸腫瘍ではMUC5AC及びβカテニン発現とK-ras遺伝子が変化する
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演者 |
中江 弘三郎(順天堂大・消化器内科DELIMITER順天堂大・人体病理病態学) |
共同演者 |
三富 弘之(順天堂大・人体病理病態学), 齋藤 剛(順天堂大・人体病理病態学), 高橋 路子(順天堂大・人体病理病態学), 森本 崇(順天堂大・消化器内科DELIMITER順天堂大・人体病理病態学), 日高 康博(順天堂大・消化器内科DELIMITER順天堂大・人体病理病態学), 坂本 直人(順天堂大・消化器内科), 八尾 隆史(順天堂大・人体病理病態学), 渡辺 純夫(順天堂大・消化器内科) |
抄録 |
【背景・目的】側方発育型大腸腫瘍(Laterally spreading tumor; LST)は、形態により顆粒型(granular type; LST-G)と、非顆粒型(non-granular type; LST-NG)に細分類されるが、両群の臨床病理学的位置づけはまだ十分に定まっていない。両群における臨床病理学的、分子病理学的解析を行った。【方法】2008~2011年に当院で切除されたLST病変69例(G群36例、NG群33例)を対象に、それぞれの異型度により低異型度群(G群15例、NG群12例)、高異型度群(G群12例、NG群14例)、 SM浸潤癌群(G群9例、NG群7例)に分類し、免疫染色(MUC2, MUC5AC, MUC6, CD10, p53, βカテニン, Ki67)を行って解析した。また、56例(G群:29例、NG群27例)に対して、K-ras、BRAFの遺伝子解析を行った。【結果】G群はNG群と比して腫瘍径が大きく、組織型はG群で管状絨毛腺腫が多かった。MUC2発現は両群で差異はなく、異型度が強くなるに従い低下した。MUC5AC発現は近位大腸病変においてG群で有意に発現が高かった。p53蛋白発現は両群で差異はなく、異型度が高くなるに従い増加した。βカテニン核内発現はG群で有意に高かった。Ki-67識別率は粘膜の下1/3層においてG群が有意に高かった。K-ras遺伝子変異はG群(15例(52%))、NG群(2例(7%))とG群で有意に多かった。BRAF遺伝子変異はG群で2例(7%)のみに認め、NG群では認めなかった。G群でMUC5AC発現はK-ras/BRAF遺伝子変異がある群で有意に高かった。両群でP53蛋白発現はMUC2, MUC5AC発現との間に負の相関がみられた。G群でβカテニン核内発現はMUC5AC発現との間に負の相関がみられた。NG群でβカテニン核内発現とMUC2発現との間に負の相関がみられた。【結語】LST-Gと-NGでは、MUC5AC、βカテニン核内発現、K-ras遺伝子変異に差異があり、異なる性質の腫瘍群であると考えられた。 |
索引用語 |
LST, 大腸腫瘍 |