セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(腫瘍)3

タイトル 消P-595:

化学療法抵抗性進行大腸がんに対するテーラーメイドペプチドワクチン療法の検討

演者 由谷 茂(久留米大・免疫・免疫治療学)
共同演者 笹田 哲朗(久留米大・免疫・免疫治療学), 伊東 恭悟(久留米大・免疫・免疫治療学), 吉富 宗宏(久留米大・外科)
抄録 【目的】化学療法抵抗性進行大腸がんに対するテーラーメイドペプチドワクチン療法の生命予後延長に対する有用性について、またバイオマーカーについて検討する。【方法】StageIVまたは再発大腸がん患者のうち、化学療法レジメ2nd line以降にペプチドワクチン療法との併用を開始した58症例に対して、ワクチン開始から、または化学療法開始時点からの生存期間を層別化し検討し、さらにバイオマーカー候補を測定した。【成績】エントリーした58症例の内訳はStageIV 26例、再発32例であった。前化学療法数で分類すると、レジメ数2回未満:18例、2回以上:40例であり、使用薬剤数2剤以下:19例、3剤以上:39例であった。StgageIV例と再発例との間にMSTに有意差は認めず(302日vs 375日)、レジメ数2回未満と2回以上の間には有意差が存在した(733日vs 302日p=0.038)使用化学療法剤数では2剤以下でMSTは長い傾向にあったが有意差は認められなかった(597日vs 336日 p=0.109)。さらに、ワクチン開始時期ではAfter 1st lineが18例でワクチン開始からのMSTは733日、After 2nd lineが13例で同じくワクチン開始からのMSTは355日、After 3rd lineが10例でMSTは375日であった。また、化学療法導入日からのMSTは各々1114日、821日、1368日であった。有害事象は投与局所の皮膚反応が主なもので、全例で安全に治療は行われた。一方、測定したバイオマーカー候補のうち、血清中IL-6値(>3pg/mL)が予後に相関した(p=0.0015)。【結論】化学療法抵抗性進行大腸がん症例に対して、2nd line以降の化学療法にペプチドワクチンを併用することは安全で且つ予後を延ばす可能性が示唆された。また、バイオマーカーの候補としてIL-6値が有用である事が考えられた。
索引用語 ペプチドワクチン, 大腸がん