セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(治療(化学療法))1

タイトル 消P-598:

化学療法誘発口内炎に対するレバミピド・ポラプレジンクの含嗽・内服療法

演者 福原 研一朗(市立藤井寺市民病院・外科)
共同演者 栄 政之(市立藤井寺市民病院・外科), 石田 幸子(市立藤井寺市民病院・外科)
抄録 【背景】がん化学療法により誘発される口腔粘膜障害は,レジメンにもよるが約40~80%もの高頻度で発症する有害事象の1つである。口腔粘膜障害は一旦発症すると,治癒や軽快しにくく,患者のQOLの悪化に直結する。そこで化学療法の継続・容量維持ができずに結果として奏効率の低下につながる恐れが懸念されている。口腔粘膜障害は,化学療法薬物の酸化作用によって誘発されると考えられており,その酸化作用を抑制するレバミピド・ポラプレジンクの含嗽・内服療法による口腔粘膜障害関連症状に対する軽減効果について検討した。【方法】当院でがん化学療法を施行し,何らかの口腔粘膜障害関連症状を有する9例を対象とした。レバミピド300mg・ポラプレジンク150mgを含む60ml製剤を1日4回含嗽・内服した。導入前から3カ月後までの肉眼的観察および症状について検討した。導入前と導入1,2,3カ月後に口腔内の肉眼的観察,口腔粘膜障害関連症状について聞き取り調査を行った。肉眼的観察での評価は,WHOによる口腔粘膜炎判定基準に基づいてGrade分類を行った。【結果】導入前には肉眼的口内炎を5例に認め,うち4例で改善した。各項目毎に検討を行ったが,有意な改善は認められなかった。しかしながら症状の感じ方は患者個人によって大きく異なることを考慮すると,何らかの症状改善が認められた対象数は7例にものぼっており,改善率は78%であった。改善症例全例において,導入1カ月で症状改善が認められ,導入前後での症状は有意に改善した(p=0.018)。【結語】がん化学療法施行中に口腔粘膜障害関連症状を有した症例において,レバミピド・ポラプレジンクの含嗽および内服療法は,口腔粘膜障害の軽減に有効であると考えられ,消化器がん化学療法患者のQOL向上に有用と考えられた。今後は発症予防効果についても検討したい.
索引用語 化学療法, 口腔粘膜障害