セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(治療(化学療法))2

タイトル 消P-605:

高血圧(HT)はbevacizumab(BV)併用療法のバイオマーカーをなり得るか?

演者 河合 隆治(日本大・消化器外科)
共同演者 間崎 武郎(日本大・消化器外科), 増田 英樹(日本大・消化器外科), 高山 忠利(日本大・消化器外科)
抄録 【目的】BV使用中のHTは,抗癌化学療法中の効果判定バイオマーカーとしての意義が報告されている.今回我々は,切除不能進行再発大腸癌に対するBV併用抗癌化学療法時のgrade 2―3のHTとoverall survival(OS)の関連性をretrospectiveに検討した.【対象と方法】対象は2009年3月から2011年3月までの2年間に当院において加療した切除不能進行再発大腸癌52例.Primary endpointはHT発症群(grade2―3,以下HT群)と未発症群(grade0―1)のOSとし,Kaplan-Meier生存率曲線,log-rank testで検定した.【結果】性別(男/女,33/19),平均年齢66(SD, 8.7)歳.原発は結腸37例(71%),直腸15例(29%).転移再発部位は腹膜15例,肝臓19例,肺11例,リンパ節9例,局所8例,その他2例.組織型はtub1 18例(35%),tub2 20例(38%),por 7例(13%),muc 4例(8%),不明 3例(6%).BV併用抗癌化学療法のレジメンはmFOLFOX6,mFOLFIRIおよびXELOXで,BVの投与量は5mg/kgであった.HT群は19例に認めた(Grade2/3=17/2例).全体での1年,2年生存率,50%生存期間は77.4%,41.7%,21.0か月であった.HT群では87.8%,43.1%,24.0か月で,HT未発症群では71.9%,40.1%,20.6か月であった.両群間に有意差を認めなかった(log-rank,P=0.689).【結語】HTは切除不能進行再発大腸癌に対するBV併用化学療法のバイオマーカーとしての意義は少ないのではないかと考えられた.
索引用語 切除不能再発大腸癌, バイオマーカー