セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(症例報告)1

タイトル 消P-608:

当科で手術を施行した腸管子宮内膜症2例の検討-術前診断が可能であった1例と困難であった1例-

演者 吉田 良太朗(いわき市立総合磐城共立病院・外科)
共同演者 橋本 明彦(いわき市立総合磐城共立病院・外科), 白相 悟(いわき市立総合磐城共立病院・外科), 新谷 史明(いわき市立総合磐城共立病院・外科)
抄録 【はじめに】腸管子宮内膜症は比較的稀な疾患であることに加え、内視鏡、生検の結果でも悪性腫瘍と類似した所見を呈し、鑑別が困難であることがしばしば報告されている。今回術前に悪性腫瘍と診断、手術を施行した後に病理結果で診断に至った1例を経験した。当科では術前に診断に至り、手術加療を行った1例も経験しており両者を比較しつつ、若干の文献的考察も加えて報告する。【症例1】30代女性 2年前に子宮内膜症の診断を受けホルモン療法を受けていた。次第に月経時に血便が出現するようになり近医にて大腸内視鏡を施行、直腸Raに潰瘍性病変を認めた。直腸子宮内膜症を疑い当院紹介となり、当院で施行した生検では異所性子宮内膜を認めた。手術加療の方針となり腹式子宮全摘術、直腸低位前方切除術、虫垂切除術を施行した。手術所見では腹膜翻転部前壁に40x50mm大の硬結を認めた。子宮、虫垂、直腸の間に癒着を認めた。病理所見では直腸病変の粘膜下層から漿膜にかけて子宮内膜を認め、虫垂にも病変を認めた。【症例2】40代女性 検診で貧血を指摘され要精査となり、大腸内視鏡検査を施行。Bauhin弁の傍に多結節隆起を認めた。生検の結果GroupV(tub1-2)の診断であった。上行結腸癌と診断、CTにて粗大な子宮筋腫も認めたため併せて手術加療の方針となった。回盲部切除術、リンパ節郭清(D3)、単純子宮全摘術、両付属器切除術を施行。手術所見では腹腔内には子宮内膜症を思わせる所見は認めなかった。病理所見では上行結腸の粘膜下層から漿膜にかけて子宮内膜を認め、腸管子宮内膜症と診断された。
索引用語 腸管子宮内膜症, 手術