セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(症例報告)2
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タイトル |
消P-618:イレウスを来たした腸管アメーバ症の一例
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演者 |
田中 花菜(山形市立病院済生館・消化器内科) |
共同演者 |
黒木 実智雄(山形市立病院済生館・消化器内科), 三浦 敦司(山形市立病院済生館・消化器内科), 菊池 義文(山形市立病院済生館・消化器内科), 平川 秀紀(山形市立病院済生館・消化器内科) |
抄録 |
【症例】81歳男性【既往歴】高血圧、胃潰瘍【主訴】右下腹部痛【現病歴】平成23年11月より全身倦怠感、食欲不振、右下腹部痛が出現したため近医を受診した。症状の改善を認めないため、12月に当科紹介となり、イレウスの診断で同日入院となった。【入院時検査所見】WBC 16010 /μl, CRP 13.06 mg/dlと炎症反応の上昇が認められた。CEA 2.1 ng/ml, CA19-9 3.1 U/mlと腫瘍マーカーは正常であった。【入院後経過】CTにて小腸拡張を伴った回盲部の腫瘤影と周囲の腫大リンパ節を認め、大腸癌によるイレウスが強く疑われたため、入院当日にイレウスチューブを挿入し、翌日に手術が施行された。術中での視診、触診上は盲腸癌の回腸浸潤、腹壁浸潤、膿瘍形成が考えられた。横行結腸にも腫瘤が触知され、右半結腸切除術が施行された。病理所見では膿瘍形成と高度な壊死を伴った全層性炎症を認め、アメーバ虫体が散在しておりアメーバ性腸炎と診断された。術後、メトロニダゾールが投与された。術後に行った大腸内視鏡検査では、S状結腸に瘢痕が認められたが、生検にてアメーバ虫体は認められなかった。【考察】腸管アメーバ症によってイレウスを来した症例は我々が文献検索した限りでは報告例がなく、極めて稀であると考えられる。腸管アメーバ症は海外渡航歴のある患者や同性愛者に多いと言われているが、本症例ではご高齢であり感染経路は特定できなかった。悪性腫瘍と鑑別困難な病変を呈する場合もあるとされており、鑑別疾患として腸管アメーバ症も念頭に置くべきと考えられた。 |
索引用語 |
アメーバ, イレウス |