セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他)1

タイトル 消P-624:

炎症性腸疾患に対して免疫調節療法施行患者におけるB型肝炎ウィルスの再活性化の当科での検討

演者 石田 哲也(大分赤十字病院・消化器内科)
共同演者 永松 秀康(大分赤十字病院・消化器内科), 上尾 哲也(大分赤十字病院・消化器内科), 高橋 健(大分赤十字病院・消化器内科), 成田 竜一(大分赤十字病院・消化器内科), 占部 正喜(大分赤十字病院・消化器内科)
抄録 [緒言] HBs抗原陰性でHBc抗体陽性もしくは、かつHBs抗体陽性症例は、これまでB型肝炎既往感染者(occult HBV)と考えられ臨床的には治癒症例と判断してきた。しかしこのようなHBV既往感染者からHBV再活性化による肝炎(de novo B型肝炎)が報告されている。de novo B型肝炎は ある報告では致死率20%とされ、発症させない配慮が臨床上不可欠である。今回免疫調節療法施行中の炎症性腸疾患 (IBD)患者におけるB型肝炎ウィルスの再活性化をretrospectiveに検討したので報告する。[成績] 当科で経過観察中のIBD患者は270例で、このうちoccult HBVは17例(6.3%)、inactive carrier state(HBs抗原陽性 HBe抗源陰性 HBe抗体陽性 ALT正常値)は2例、活動性B型肝炎は1例であった。occult HBVのうち維持療法として免疫調節剤使用者は13例で その内訳はAZA 9例、IFX 1例、AZA+IFX 3例で平均観察期間57.7ヶ月(1-145)であった。AZA+IFX導入4年後にde novo B型肝炎を発病した症例が1例(entecavir投与により肝炎沈静化)あり その他12症例は肝炎ウィルスの再活性化を認めなかった。inactive carrier stateの2例はentecavirを併用したうえでIFX+AZAを投与しこれまで再活性化を認めていない。活動性B型肝炎例は以前よりadefovir+lamivudine投与しておりIFX+AZA導入後42ヶ月再活性化を認めていない。当科に紹介されるまでステロイド依存のためステロイドが継続投与されていた症例4例(occult HBV 3例、inactive carrier state 1例)は平均観察期間 78ヶ月(24-168)で再活性化を認めていない。[結語] IBD症例におけるこれまでの報告では、抗TNF療法施行中occult HBVからde novo B型肝炎発症例は1例のみであり他のde novo B型肝炎に比して報告が少なく、当科の経験では1/17(5.8%)であった。IBDにおいても免疫調節療法施行者には 施行前の充分なHBVウィルスの検索と、施行開始後の注意深い観察が望まれる
索引用語 炎症性腸疾患, de novo B型肝炎