セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(その他)1 |
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タイトル | 消P-625:炎症性腸疾患(IBD)患者におけるPPI(プロトンポンプ阻害薬)使用および上部消化管症状についての検討 |
演者 | 長堀 正和(東京医歯大・消化器内科) |
共同演者 | 藤井 俊光(東京医歯大・消化器内科), 齊藤 詠子(東京医歯大・消化器内科), 森尾 純子(東京医歯大・光学医療診療部), 渡辺 守(東京医歯大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】炎症性腸疾患(IBD)患者におけるPPI使用の実態と上部消化管症状(GERDおよびFD)の実態を明らかにする 【方法】当院定期通院中の同意が得られたIBD患者を対象とし、自記式調査票による調査を行った。調査内容は、年齢、性別、身長、体重、喫煙歴、IBD病名、発病年齢、現在および過去のIBD内服治療、抗精神病薬およびNSAIDs、またH2阻害薬やPPI内服の有無を調査した。また、FDの合併はRoma基準を、GERDの合併はMontreal定義を用いて問診票から判定した。 【結果】対象患者は272名(男性164女性108)、年齢は41.1±15.1歳、診断はUC193人CD78人、罹病期間は6年(中央値)、33人(12.2%)に開腹歴あり、喫煙歴は21人(7.8%)および67人(24.9%)がそれぞれ現在および過去の喫煙者であった。現在のIBD治療は5ASA184人(67.6%)、副腎皮質ステロイド(CS)9人(3.3%)、免疫調節薬109人(40.1%)、タクロリムス12人(4.4%)および生物製剤57人(21.0%)であった。GERD合併は28人(10.3%)、FD合併は75人(27.6%)であった。PPI使用患者(user)(n=26)とPPI非使用患者(nonuser)(n=246)を比較した。UserはNonuserと比較して、年齢が高く(49.1vs 40.2, p=0.004)、CS使用(過去および現在)(84.6%vs 43.1%, p<0.0001)、抗精神病薬使用(38.5%vs 12.6%, p=0.0018)、NSAIDs使用(23.1%vs 9.4%, p=0.043)、GERD(26.9%vs 8.6%, p=0.0098)およびFD(57.7%vs 24.4%, p=0.0008)の合併が多かった。他の因子は両群間で差を認めなかった。 【結論】最近の研究では、PPI投与とClostridium difficile感染症や骨折との関連が示唆されているが、いずれもIBD患者と無関係とはいえない。また、PPI使用患者は年齢が高く、FDやGERDなどの上部消化管有症状の患者が多い。また、抗精神病薬やNSAIDs内服中の患者が多く、結果として、いわゆる"polymedicine"となっており、炎症性腸疾患薬のadheranceに影響を与えることが懸念された。 |
索引用語 | PPI, IBD |