セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他)1

タイトル 消P-628:

先端透明フードと体位変換を用いた患者にやさしい大腸内視鏡挿入法

演者 平野 直樹(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
共同演者 藤本 愛(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 大塚 隆文(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 中野 茂(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
抄録 大腸内視鏡挿入法は基本的にはいかに患者の苦痛を少なく、速やかに挿入できることが重要である。できるだけ挿入時の疼痛がないような挿入法で行うことで、鎮静剤、鎮痛剤の使用量を減らすことでき、それらによる呼吸抑制、血圧低下等の偶発症を防ぐことができ、患者にとってやさしい大腸内視鏡が施行できる。先端透明フードと体位変換を用いた大腸内視鏡挿入法によりスムーズな大腸内視鏡検査が可能となっているので今回我々はこれについて解説する。先端フードを用いることでルーメンとのスペースをとる必要がないため、送気が少なくて済み、患者の腹満感の軽減となる。またひだ裏の観察が可能で見落としも少なくなりメリットが大きい。まずは左側臥位にて肛門よりスコープを挿入し、ライトターンをかけた状態でRS-Sの屈曲を左に見えるように持ってきて、左ターンで通過する。RSを通過してS状結腸に入った時点で患者の体位を仰臥位にする。スコープがストレートの状態で次の屈曲部位(S-Top)にかかったところでライトターンをかけながら短縮して、次のルーメンが画面の右下~下方向にもってきてダウンアングルで越えるようにする。この時点で半分以上の症例はS状結腸がストレートになっており、そのまま下行結腸に到達する。D/Cでスコープがストレートで軸も真っすぐになった状態でS状結腸がたわまないように小刻みにpushしMTまで挿入する。MTから次のルーメンを左に持ってきてレフトターンにてMTの屈曲をこえてそのままショートニングするとMTの屈曲が解除されHFが近づく。この時大部分の症例は右方向にルーメンが見えるため、ptに深呼吸してもらって、スコープの吸引にてHFのルーメンを近づけて、ライトターンにて屈曲部を通過してA/Cに入る。A/Cに入ったらさらにスコープで吸引して、ptに再度深呼吸をしてもらって盲腸まで到達する。上記の方法で鎮静剤を用いなくてもスムーズな深部大腸への挿入が可能であり、実際の挿入をスライドにて供覧する。
索引用語 大腸内視鏡, 挿入法