セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(その他)1 |
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タイトル | 消P-630:大腸癌発見のための病院全体の取り組み~消化器病プロジェクトの成果報告~ |
演者 | 橋口 一利(嶋田病院・内科) |
共同演者 | |
抄録 | 大腸癌死亡率が男性3位、女性1位(2009年国立がんセンターがん対策情報センターより)となり、さらに増加傾向にあるのは、大腸がん検診受診率と精検受診率の低さが大きな要因とされている。当院では、地域医療を通して大腸癌の早期発見早期治療の啓蒙活動をおこない、積極的に全大腸内視鏡検査をおこなっている。 【目的】2010年より地域の大腸癌死亡率減少を目指した消化器病プロジェクト(以下PJ)を立ち上げたので、その成果を報告する。 【対象】2010年4月から2012年2月までに当院に入院した全患者5198例のうち3234例を対象に便潜血検査を実施した。除外基準を満たすか便検査が未施行であったのは1964例。陽性者には積極的に、陰性者でも希望者には全大腸内視鏡検査をおこなった。 【成績】便潜血陽性例は、1018/3234例(31.4%)、便潜血陽性例のうち全大腸内視鏡検査を施行したのは258/1018例(25.3%)、病理検査で腺腫もしくは癌であったのは95/258例(36.8%)、癌は19/258例(7.3%)であった。便潜血陰性例のうち全大腸内視鏡検査を施行したのは164/2216例(7.4%)、病理検査で腺腫もしくは癌であったのは41/164(25%)、癌は11/164(6.7%)であった。 【考察】当地域の大腸がん検診受診率は20%に満たない。今回の便潜血検査対象者は、大腸疾患あるいは内視鏡検査・治療目的に入院した症例を除外し、全く別の疾患で入院した症例を対象としており、ある意味、大腸がん検診の延長と考えらえる。結果として30例の大腸癌を発見できたことは、PJの成果であるといえる。PJ立ち上げ当初は、検査前後の説明や同意書の取得、他科の受容の悪さなど、PJ継続も危ぶまれたが、説明のIT化や逐次成果報告をおこなうことで、他科の理解を得ることができ、軌道に乗っている。また、地域の連携医にも成果報告をおこない、一体になって啓蒙活動をおこない、大腸内視鏡検査数が増加傾向にあることもPJの成果と考える。 |
索引用語 | 便潜血検査, 大腸癌 |