セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(その他)2 |
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タイトル | 消P-631:当科における大腸憩室出血に対する動脈塞栓術施行症例の検討 |
演者 | 菅原 かおり(国立仙台医療センター・消化器内科) |
共同演者 | 高橋 広喜(国立仙台医療センター・消化器内科), 杉村 美華子(国立仙台医療センター・消化器内科), 岩渕 正広(国立仙台医療センター・消化器内科), 真野 浩(国立仙台医療センター・消化器内科), 鵜飼 克明(国立仙台医療センター・消化器内科), 田所 慶一(国立仙台医療センター・消化器内科), 力丸 裕也(国立仙台医療センター・放射線科), 佐藤 明弘(国立仙台医療センター・放射線科) |
抄録 | 【目的】大腸憩室出血の中には自然止血されずに、治療に難渋する症例も少なくない。当科における大腸憩室出血の動脈塞栓術施行症例における臨床的特徴について検討した。【方法】2009年1月より2011年12月までに当科にて大腸憩室出血と診断された症例は69例あり、自然止血や内視鏡的止血術では止血されずに、動脈塞栓術を施行された症例は7例であった。これらの症例ついて、年齢、性別、部位、基礎疾患、抗血栓薬(NSAIDs、抗血小板薬、抗凝固薬)の内服歴、輸血、ショック、再出血などについて検討した。なお、再出血は、止血後1週間以内の再出血を早期再出血、以降の再出血を晩期再出血とした。【結果】対象患者7例の平均年齢は、68.4歳(55~85歳)、男女比は6:1であった。出血部位は、右側結腸が6例、左側結腸が1例であった。基礎疾患としては、高血圧6例、高脂血症3例、糖尿病2例、不整脈や心筋梗塞などの心疾患3例であった。抗凝固・血小板薬の内服は3例、NSAIDsの内服は2例であった。輸血は4例、ショック状態を呈したものは2例であった。全例に一次止血が得られた。しかし、早期再出血は1例認め、この症例はその後再度動脈塞栓術を施行するも止血が得られず、右半結腸切除術を施行した。晩期再出血は2例であり、うち1例は2回の再出血を呈し、内視鏡的止血術とバリウム充填注腸法を施行した。早期・晩期再出血の症例はいずれも抗血栓薬の内服歴を認めた。術後合併症として、腸管壊死、穿孔などの重篤な合併症は認めなかった。【結語】大腸憩室出血において、動脈塞栓術は一次止血には有効であり、重篤な合併症は認めなかったが、抗血栓薬内服中の症例には止血が困難な場合や再出血を起こす可能性があり、慎重な経過観察が必要であると思われた。 |
索引用語 | 憩室出血, 動脈塞栓術 |