セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他)2

タイトル 消P-633:

当院における大腸憩室出血症例の検討

演者 木村 典世(北野病院・消化器センター内科)
共同演者 牟田 優(北野病院・消化器センター内科), 廣橋 研志郎(北野病院・消化器センター内科), 西川 義浩(北野病院・消化器センター内科), 渡辺 昌樹(北野病院・消化器センター内科), 佐久間 洋二朗(北野病院・消化器センター内科), 熊谷 奈苗(北野病院・消化器センター内科), 小田 弥生(北野病院・消化器センター内科), 加藤 洋子(北野病院・消化器センター内科), 工藤 寧(北野病院・消化器センター内科), 藤田 光一(北野病院・消化器センター内科), 山内 淳嗣(北野病院・消化器センター内科), 大橋 真也(北野病院・消化器センター内科), 吉野 琢哉(北野病院・消化器センター内科), 高 忠之(北野病院・消化器センター内科), 淺田 全範(北野病院・消化器センター内科), 福永 豊和(北野病院・消化器センター内科), 川口 清隆(北野病院・消化器センター内科), 八隅 秀二郎(北野病院・消化器センター内科)
抄録 【目的】大腸憩室出血は日常診療においてしばしば遭遇する疾患であるが、再発することが多く患者のADLを損ねる原因となる。そのため憩室出血の再発率を下げる取り組みとしてバリウム充填法にも取り組んでいる。今後の再発率を下げるためにまずは現状の把握が必要である。【方法】2010年4月より2012年3月までの3年間において、当院にて下部消化管出血で大腸内視鏡検査を施行し大腸憩室出血と診断された33症例を対象とし、出血例の年齢、性別、高血圧の有無、抗凝固薬内服の有無、NSAIDs内服の有無、大腸憩室出血の既往の有無、憩室の部位、出血源の同定の有無、止血処置の有無、バリウム充填療法の有無などについて検討した。【成績】憩室出血症例の年齢の平均は69.6歳で男性23人、女性10人であった。高血圧は15症例 (45.5%) に認め、抗凝固薬内服は14症例 (42.4%) に認めた。NSAIDs内服は3症例 (9.1%)であった。また大腸憩室出血の既往は11症例 (33.3%) に認めた。憩室のある部位は右側結腸のみが9症例 (27.3%) 、左側結腸のみが6症例 (18.2%) 、両側が18症例 (54.5%) であった。出血源が同定できたのは5症例 (15.2%) 、止血処置をしたのも5症例 (15.2%) であった。バリウム充填療法は8症例 (24.2%) に行なっていたが、憩室出血を疑い内視鏡検査を行ったその日にバリウム充填を行った症例、内視鏡検査翌日にバリウム充填行った症例の計2症例ついては数日以内に再出血を認め、残りの症例では再出血は認めていない。【結果】憩室出血症例は高齢男性で高血圧、抗凝固薬内服症例が多く、再発する症例が多い。出血源同定率が低いため、バイタル安定症例については前処置を行った上で内視鏡検査を施行するといった工夫が必要である。バリウム充填療法は内視鏡検査から数日空けるほうがよい可能性が示唆された。
索引用語 大腸憩室出血, バリウム充填療法