セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他)2

タイトル 消P-636:

当院での大腸憩室炎における外来治療45例の検討

演者 柳本 蔵人(国保旭中央病院・消化器内科)
共同演者 石垣 和祥(国保旭中央病院・消化器内科), 片桐 智子(国保旭中央病院・消化器内科), 坂口 賀基(国保旭中央病院・消化器内科), 宮川 明祐(国保旭中央病院・消化器内科), 松島 知広(国保旭中央病院・消化器内科), 山本 隆一(国保旭中央病院・消化器内科), 田村 寿英(国保旭中央病院・消化器内科), 中村 朗(国保旭中央病院・消化器内科), 糸林 詠(国保旭中央病院・消化器内科), 紫村 治久(国保旭中央病院・消化器内科), 志村 謙次(国保旭中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】大腸憩室炎は入院治療が一般的であるが、当院では慢性的なベッド不足から内服抗菌薬による外来治療を余儀なくすることが多い。そこで当院での大腸憩室炎における外来治療について検討した。【方法】2009年8月1日から2010年8月1日までの1年間に、当院での腹部超音波検査や腹部造影CTにて「大腸憩室炎」と診断され、外来治療となった45例(男性22例、女性23例)を対象とした。なお、この期間において大腸憩室炎の診断で入院治療を要した患者群との臨床像の比較検討も行った。【成績】平均年齢は49.4歳(26歳~89歳)。診断は腹部超音波検査のみが19例、腹部造影CTのみが15例、腹部超音波検査・腹部造影CT両方によるものが11例。部位は上行結腸が最多で29例。下行結腸~S状結腸が12例。盲腸が3例、横行結腸が1例であった。発症時の白血球数は平均10477/μl(4300~17300)、CRPの平均は4.8mg/dl(0.1未満~14.8)であった。抗菌薬はLVFX+CLDMの内服が28例(62%)で最も多かった。平均治療期間は11.3日間(0~41日間)であった。多くの症例で抗菌薬内服開始後、数日以内に症状は軽快していた。 再発例は、今回調査した1年間では認めなかった。外来治療で合併症(膿瘍、穿孔など)を有していた患者は45例中2例(膿瘍形成)であったが、経過中に増悪して入院となる患者はいなかった。 入院治療で、合併症を有していた患者は21例中9例(膿瘍5例、穿孔4例)と、外来治療となった患者群より高率であったが、外科手術を要した症例は1例のみであり、他は抗菌薬点滴のみで軽快していた。【結論】合併症を伴わない、軽症~中等症の大腸憩室炎における外来治療は有用と考えられた。 高齢化や食生活の欧米化により大腸憩室症は増加しており、適応を見極めた上で、外来治療という選択枝を考慮するのも一法と考えられた。
索引用語 憩室炎, 外来治療