セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(その他)3
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タイトル |
消P-640:Clostridium difficile関連性腸炎再発例の検討
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演者 |
小平 誠(焼津市立総合病院・消化器科) |
共同演者 |
松家 健一(焼津市立総合病院・消化器科), 森岡 まさき(焼津市立総合病院・消化器科), 山形 真碁(焼津市立総合病院・消化器科), 渡邉 幸弘(焼津市立総合病院・消化器科), 寺澤 康之(焼津市立総合病院・消化器科), 佐野 宗孝(焼津市立総合病院・消化器科) |
抄録 |
【目的】近年Clostridium difficile関連性腸炎の治療に抗トキシン抗体療法が登場し、再燃を有意に抑制すると報告され、本邦でも国際共同治験が予定されている。当院におけるClostridium difficile関連性腸炎の再燃症例を検討し、今後の抗トキシン抗体療法について考察する。【方法】当院にて2005年後半から2010年までに、バンコマイシンまたはメトロニダゾールが処方された症例をリストアップし、そのうち10日以上処方された症例から再燃例16例の詳細を検討した。今回腸炎の定義は下痢に伴いClostridium difficile toxin (toxin A) が検出されたものとして、初回治療効果については治療中であっても便中トキシンが陰性化したものを有効と判断。その後トキシンが再度陽性化したものを再燃例とした。【成績】10日以上処方された249例のうち、複数回投与された症例は49例。このうち再燃例と判断されたのは16例 (21エピソード) であった。内訳は男性11例、女性5例、平均年齢78.2歳 (57歳から95歳)。背景疾患は脳血管障害、末期癌に伴う肺炎が多かった。1例を除き初回発症前に抗生剤が投与されており、投与開始から発症までは平均11.9日 (4日から29日)。初回のトキシン陰性化を確認してから再発までの間に抗生剤が投与されたのは11例であり、再発までの期間は平均23.8日 (4日から61日) であった。退院時自力歩行可能であったのは1例、寝たきりもしくは車いすの状態が11例、4例は死亡退院であった。食事の自力摂取が可能であったのは8例であった。【結論】腸炎再燃例には、重篤な背景疾患のため細菌感染症を繰り返す症例が多く、腸炎の診断後も経静脈的抗生剤投与が中止できない症例が多く見られた。これらの症例は病院、施設において感染源となりうるため治療が必要であるが、抗菌剤のみでの治療には限界がある。今後これらの症例に対して抗トキシン抗体療法は有効と思われるが、患者の全身状態を考慮するとコストベネフィットについても十分な検討を要すると考えられた。 |
索引用語 |
クロストリジウム・ディフィシル, トキシン |