セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(その他)3
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タイトル |
消P-642:当院におけるHematochezia症例の検討
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演者 |
香田 正晴(国立米子医療センター・消化器内科) |
共同演者 |
松永 佳子(国立米子医療センター・消化器内科), 片山 俊介(国立米子医療センター・消化器内科), 山本 哲夫(国立米子医療センター・消化器内科) |
抄録 |
Hematocheziaをきたす疾患には、痔疾患からの出血の他に、急性出血性直腸潰瘍、虚血性腸炎、大腸憩室出血、大腸ポリープの内視鏡的摘除後(EMR)出血など様々な疾患がある。いずれの場合も問診や診察所見によりおよその疾患を類推することが可能であるが、出血症例における内視鏡検査の診断及び治療的意義は大きい。今回我々はHematocheziaを主訴に当科受診し、大腸内視鏡検査を行った症例について検討した。【対象・方法】2011年4月から2012年3月までに当院で大腸内視鏡検査を行った930症例(男性386人、女性544人)のうちで、Hematocheziaを主訴に検査を行った78例(男性36例、女性42例)を対象とした。出血源と判断される病変を認めたものは59例であった。【結果】痔疾患16例(男性8例 女性8例)、虚血性腸炎10例(男性4例 女性6例)、大腸憩室出血9例(男性4例 5例)、感染性腸炎6例(男性2例 女性4例)、EMR後出血5例(男性4例 女性1例)、出血性直腸潰瘍4例(男性2例 女性2例)、大腸癌3例(男性2例 女性1例)、放射線性直腸炎1例、薬剤性腸炎1例、大腸angiodysplasia 1例、潰瘍性大腸炎1例、直腸粘膜脱症候群1例、脱肛1例であった。内視鏡的止血術施行は7例/59例(11.7%)、クリップ法はEMR後出血5例/5例(100%)、 急性出血性直腸潰瘍1例/4例 (25.0%)であった。アルゴンプラズマ凝固法は、放射線性腸炎1例であった。そこで出血頻度の高かった虚血性腸炎、大腸憩室出血、EMR後出血出血性直腸潰瘍について性別、年齢(65歳以上及び65歳未満)等の背景因子の検討を行った。【結果】大腸憩室出血及び出血性直腸潰瘍は65歳以上に多い傾向を認めたが、性別に差は認めなかった。EMR後出血は男性で、虚血性腸炎は女性に多い傾向を認めた。また、出血性直腸潰瘍は、脳心血管系疾患を有し、抗血小板薬、抗凝固薬の投与や腎不全の併存も多い傾向にあった。【考察】Hematocheziaに対する大腸内視鏡検査では、全身状態、病歴・内服などの背景因子に留意することが、原因疾患のみならず出血部位を同定する診断能を向上させる上で重要であると考えられる。 |
索引用語 |
Hematochezia, 大腸 |