セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(その他)3

タイトル 消P-643:

超高齢者に対する大腸内視鏡検査前処置の検討

演者 柳生 利彦(南大阪病院・消化器科)
共同演者 南條 知己(南大阪病院・消化器科), 東森 啓(南大阪病院・消化器科), 中谷 雅美(南大阪病院・消化器科), 野村 勉(南大阪病院・消化器科)
抄録 【目的】高齢者に対する大腸内視鏡においては検査前処置自体の危険性や受容性の低さと処置後の有害事象が問題となる. 特に超高齢者に対しては前処置自体が過重な負担となる可能性があり再検査時の拒否等につながる可能性もある. 今回我々は超高齢者(80歳以上)に対し経腸栄養剤を用いた前処置法および腸管洗浄液減量を行った前処置法を従来法と洗浄度と有害事象に着目して検討した. 【方法】大腸内視鏡検査を施行する超高齢者55例(男性34名,女性23名, 平均年齢84.7歳)を通常のPGE製剤を用いた処置を施行した群(PGE群)と経腸栄養剤を用いた前処置群(経腸群)および食事指導と腸管洗浄液減量群(減量群)に分けて比較検討した. PGE群は検査前日夜刺激性下剤内服, 検査当日, PGE製剤2L内服.  経腸群は検査前食事指導の徹底と前日夜刺激性下剤内服, 検査前日-当日に経腸栄養剤600-1200mlを摂取させ検査を施行. 減量群は検査前食事指導を徹底し検査前日刺激性下剤二度内服, PGE製剤1L内服. 腸管内洗浄効果は盲腸, 上行結腸, 横行結腸, 下行結腸, S状結腸, 直腸の各区域で判定, 味, 服用量, 有害事象, 前処置全体に関しての受容性をアンケートにて調査し比較検討した.【成績】3群の症例背景 (年齢, 性差, 開腹歴, 便秘症状の有無, PGE使用経験) に差はなかった. 腸管内洗浄効果は各区域で有意差を認めなかった. 処置受容性は経腸群で味, 経腸群, 減量群で服用量の評価で有意に良好であった (p0<.05).  経腸群, 減量群では有害事象の頻度では有意差を認めなかった. 【結論】超高齢者に対する経腸栄養剤を用いた大腸内視鏡検査前処置および減量法は通常法に比較し洗浄度に遜色なく受容性が良好で有害事象の程度も軽度であり有用なオプションになり得ると思われた.
索引用語 大腸内視鏡前処置法, 超高齢者