セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他1

タイトル 消P-651:

当科にて経験した好酸球性消化管病変を有する5例の検討

演者 中島 孝治(宮崎大・循環体液制御学)
共同演者 原口 大(宮崎大・循環体液制御学), 三宮 一朗(宮崎大・循環体液制御学), 片山 陽平(宮崎大・循環体液制御学), 三木 吾郎(宮崎大・循環体液制御学), 彦坂 ともみ(宮崎大・循環体液制御学), 星子 新理(宮崎大・循環体液制御学DELIMITER宮崎大附属病院・病理部), 松本 英丈(宮崎大・循環体液制御学), 芦塚 伸也(宮崎大・循環体液制御学), 稲津 東彦(宮崎大・循環体液制御学), 北村 和雄(宮崎大・循環体液制御学), 丸塚 浩助(宮崎大附属病院・病理部)
抄録 好酸球に関連した消化管病変では、以前より好酸球性胃腸炎が知られていたが、近年では好酸球性食道炎が注目されている。好酸球性胃腸炎、好酸球性食道炎は、アレルギーが関与している可能性が示唆されている。一方、腫瘍性に好酸球増多を呈する好酸球増多症候群(HES)などの疾患では、全身症状の一部として好酸球性の消化管病変を呈する。いずれの疾患も比較的稀な疾患であり、臨床像の特徴、治療法について不明な点も多い。今回我々は当科において経験した好酸球性消化管病変を有する5症例を検討した。症例の年齢中央値は45歳(44-74歳)、性別は男性4例、女性1例。疾患は好酸球性胃腸炎が2例、好酸球性食道炎が1例、HESが1例、T細胞性リンパ腫が1例であった。治療は、好酸球性食道炎の1例でPPIを投与したが、その他の4例は、いずれもステロイドを投与していた。また、好酸球性胃腸炎の2例では抗アレルギー薬を併用し、HES、T細胞性リンパ腫では抗腫瘍薬を併用していた。診断時から本抄録提出時に4症例が生存しており、T細胞性リンパ腫の1例が死亡していた。本抄録提出時での生存期間は6.7 - 172.9ヶ月であった。また、ステロイドを継続投与した3例(好酸球性胃腸炎2例、HES1例)において、ステロイド総投与量(プレドニゾロン換算)と病勢悪化による入院回数を検討すると、それぞれ1810mg, 7回. 14570mg, 1回. 10900mg, 2回であった。ステロイドは病勢をコントロールし得る可能性があるが、一方、連用による副作用には留意する必要があると考えた。それぞれの疾患の特徴的画像、臨床経過を提示し、若干の考察を加えて報告する。
索引用語 好酸球, 消化管病変