セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他1 |
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タイトル | 消P-653:上部消化管出血止血困難例に対する血管内塞栓術の有用性 |
演者 | 菊地 秀昌(東邦大医療センター佐倉病院・内科) |
共同演者 | 竜 美幸(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 勝俣 雅夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 岩佐 亮太(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 古川 竜一(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 山田 哲弘(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 曽野 浩治(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 長村 愛作(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 中村 健太郎(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 青木 博(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 吉松 安嗣(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 津田 裕紀子(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 竹内 健(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 高田 伸夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 鈴木 康夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科), 粕谷 秀輔(東邦大医療センター佐倉病院・放射線科), 長谷部 光泉(東邦大医療センター佐倉病院・放射線科), 寺田 一志(東邦大医療センター佐倉病院・放射線科) |
抄録 | 【目的】当院における上部消化管出血止血困難例に対するIVR(interventional radiology)治療による止血塞栓術の有用性を明らかにする。【方法】2011年度の当院における、吐血による緊急上部消化管内視鏡検査の件数は179件であり、そのうち9例が内視鏡的止血術困難例であった。その後、すべての症例で緊急血管造影およびIVR治療が施行された。IVRにおける患者背景、止血方法、転記につき検討した。【成績】内視鏡による止血困難例の内訳としては出血性胃潰瘍が2例、胃癌からの出血が1例、大動脈食道瘻が1例、胃静脈瘤破裂が3例、十二指腸憩室出血が2例であった。平均年齢は64.3歳(43歳~89歳)、男性7例女性2例、基礎疾患としてアルコール性肝硬変、糖尿病、狭心症、胃癌(肝転移)、食道癌術後などであった。IVR止血内容として塞栓物質が1例、コイル塞栓と塞栓物質併用による止血術が2例、コイル塞栓術が3例、バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)が2例、経皮経肝食道静脈瘤塞栓術(PTO)が1例であった。前例で出血のコントロールが可能であり術中の失血死はなかった。術後の転機として、肝不全が発症した2例と大動脈食道瘻1例の計3例において術後1週間以内の死亡が認められた。術後の再出血例は1例であり、追加の塞栓にて止血可能であった。また数週後の胃癌原病死が1例に認められた。全例を通して外科手術追加症例は認めなかった。血管造影時にショックバイタルを呈していた症例は5例であり、全身麻酔は困難であったが、血管内治療を施行し、止血術後はいずれも血圧の上昇を認めた。【結論】上部消化管出血止血困難例におけるIVRは低侵襲で非常に有用であり、高齢者や基礎疾患を多数有している症例やショックバイタル症例において第一選択の治療と考えられる。 |
索引用語 | 上部消化管出血, 血管内治療 |