セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他1

タイトル 消P-654:

腹腔内動脈破綻による腹腔内出血の3例

演者 西村 守(岡山市立市民病院・消化器センター)
共同演者 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院・消化器センター), 片山 貴(岡山市立市民病院・消化器センター), 湧田 暁子(岡山市立市民病院・消化器センター), 狩山 和也(岡山市立市民病院・消化器センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院・消化器センター), 酒井 亮(岡山市立市民病院・消化器センター), 寺本 淳(岡山市立市民病院・消化器センター), 庄賀 一彦(岡山市立市民病院・消化器センター), 光岡 晋太郎(岡山市立市民病院・消化器センター), 羽井佐 実(岡山市立市民病院・消化器センター), 小田 和歌子(岡山市立市民病院・病理部)
抄録 症例1:79歳、女性。既往歴は高血圧、心房細動。自宅で編み物をしているときに突然、頭痛・嘔気・嘔吐が出現したため救急車で来院、小脳梗塞の診断で入院した。ところが入院後数時間して腹痛を訴え始め、血液検査で炎症反応の高値を示し、胆嚢炎の疑いで胸腹部CT撮影したところ、右側腹部、および胃周囲にやや濃度の高い陰影を認め、腹腔内出血が疑われた。ただちに造影CT撮影、胃内部に円形の境界明瞭な造影像とそこにつながる血管様構造が見られ、胃動脈瘤破裂による腹腔内出血と診断された。腹部血管造影を行い、コイルを用いた血管塞栓術によって止血、救命することができた。症例2:57歳、男性。起床時より腹痛あり、トイレで意識消失発作があり当院救急外来受診した。腹部CT検査にて腹腔内にやや高吸収域の大量の腹水あり、腸間膜からの出血が疑われ緊急手術となった。腹腔内に多量の出血あり。肝十二指腸間膜に血腫が見られ、血腫奥から新鮮血の出血が見られた。血腫を除去すると右胃動脈に2~3mmの亀裂が見られ出血が続いていた。亀裂を縫合止血、さらに亀裂横にも小孔が見られこれも縫合止血し救命しえた。症例3:54歳、男性。午後に車を運転中により腹満感が出現していた。トイレでガスを出そうとしていた際に、一時的に痙攣・意識発作を認め。救急外来を受診された。CTで腹腔内に腹水を認め、出血が疑われ緊急手術となった。開腹すると、腹腔内・左側腹部・肝表面・ダグラス窩に出血あり。かなり新鮮な出血が多く思われた。横行結腸間膜に血腫あり。中結腸動脈左枝の枝と思われる血管からの出血を認めた。出血部を縫合止血し救命しえた。いずれも病態としてはsegmental arterial mediolysis(SAM)が疑われたが、病理学的な検索ができておらず原因は不明であるが、今回、比較的まれな腹腔内動脈の破綻による腹腔内出血を生じた3例を経験したので文献的考察を加え報告する。
索引用語 腹腔内出血, segmental arterial mediolysis