セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他1 |
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タイトル | 消P-657:当院で経験した上腸間膜静脈血栓症例の検討 |
演者 | 吉田 達哉(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科) |
共同演者 | 辻 剛俊(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 青木 隼人(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 山田 育弘(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 石井 元(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 津田 聡子(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 中根 邦夫(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科), 小松 眞史(市立秋田総合病院・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【目的】上腸間膜静脈血栓症 (Superior Mesenteric Thrombosis: SMVT)は,急性腹症として発症する場合には、生存率が低いと報告されている。腸管・腸間膜虚血症の中では,比較的稀な疾患であるが、近年の画像診断装置の進歩により無症状で偶然発見されるものが増えている。当院で経験したSMVT症例について文献的考察を加え検討を行った. 【方法】2006年から2012年に当院で診断されたSMVTは8症例であった。各症例の臨床所見、経過について検討した. 【成績】男性5例,女性3例で平均年齢は70歳(56~85歳)であった.発症時の症状は重複があるものの腹痛が4例,嘔吐が1例,黒色便が1例であった.無症状で発見された症例は4例であり、いずれも原疾患の評価目的のCT検査時に偶然発見されている.検査データとしては、白血球数が、有症状13100±2901/μlと無症状5150±2936/μlと有症状群が多い傾向があり、いずれもD-dimerの上昇が認められた.原因としては,肝硬変による門脈圧亢進症3例,悪性腫瘍1例,敗血症1例,原因不明3例であった.既往歴は,腹部術後が3例,徐脈性心房細動でペースメーカー留置後が1例,甲状腺機能低下症が1例,高血圧症が1例であった.無症状の2例を除き、抗凝固剤療法、手術療法が行われた.抗凝固療法は、5例に行いCT上で血栓の消失を確認できたのが3例であった。開腹で広範囲小腸切除術を施行した例が1例,原疾患の悪性疾患による死亡が1例,通院中断による経過不明が1例であった.抗凝固療法の継続による合併症の出現は今のところ認められておらず、血栓の再発も認められていない. 【結論】SMVTの存在のみでは症状は出現しない.腸管・腸間膜虚血を引き起こした場合には生存率が低いため、発見時には無症状であっても血栓溶解療法を施行することが望ましいと考えられた. |
索引用語 | 上腸間膜静脈血栓症, 血栓溶解療法 |