セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他2

タイトル 消P-659:

埋め込み型中心静脈カテーテルの成績および合併症の現状

演者 片山 原子(JR東京総合病院・外科)
共同演者 平田 勝(JR東京総合病院・外科), 小山 要(JR東京総合病院・外科), 澤谷 哲央(JR東京総合病院・外科), 田中 弦(JR東京総合病院・外科), 山本 竜太(JR東京総合病院・外科), 尾辻 和尊(JR東京総合病院・外科)
抄録 【背景】各種癌化学療法の発展に伴い、化学療法目的の埋め込み型中心静脈カテーテルが挿入される機会が増加しており、これに伴う短期的-中長期的合併症についても要検討である。【方法】2008年10月から2012年3月までに当科において手術室で留置した埋め込み型および長期留置型中心静脈カテーテルの症例は110例、内訳は埋め込み型(Port)93例,末梢静脈からの長期留置型(PICC)17例、疾患は悪性腫瘍78例(胃15例,大腸28例,乳腺26例,肺5例,食道1例,血液1例,リンパ腫2例),その他良性疾患32例、目的は化学療法68例,栄養投与あるいはルート確保42例だった。処置所要時間,早期合併症,中長期的合併症につき検討した。【結果】Portの穿刺部位は、内頸静脈39例,鎖骨下静脈43例,大腿静脈9例,上肢3例だった。処置の成功率はPortにおいては96% (89/93)、失敗例4例の理由は、穿刺の失敗2例,カテーテル先進の失敗1例,痛み2例だった。Port造設所要時間(局所麻酔も含む)は平均50分だったが、医師別(常勤医別)で平均25分から90分と個人差があった。挿入時複数箇所の穿刺を要した例は14% (13/93)あり、医師別で0%から29%と個人差があり、留置箇所別には、内頸静脈13%,鎖骨下静脈10%,大腿静脈44%,上肢0%だった。Portの合併症は17% (16/93)あり、動脈穿刺5例,出血3例,血腫形成2例,感染7例,創離開1例,カテーテル破断1例,敗血症性ショック1例,化膿性関節炎1例と重篤なものも含まれ、穿刺部位別には内頸静脈8%,鎖骨下静脈26%,大腿静脈22%,上肢0%、医師別で0%から30%と個人差があった。PICCの合併症は29%と高率だったが、感染3例,カテーテルからの漏れ2例、いずれも対処は比較的容易だった。【結語】Portの穿刺部位は安全性の高い部位を選択し、エコーで走行を確認してから穿刺する慎重さが必要である。感染徴候があれば重篤化する前の早期抜去が肝要である。所要時間,複数箇所穿刺率,合併症率は医師による要因もあり、改善の余地が十分にある。
索引用語 埋め込み型, 中心静脈