セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他2 |
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タイトル | 消P-662:緩和医療における癌性腹膜炎患者に対するPTEGの有用性および安全性の検討 |
演者 | 大林 友彦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科) |
共同演者 | 丹羽 康正(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田近 正洋(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 近藤 真也(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 田中 努(愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 水野 伸匡(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科DELIMITER愛知県がんセンター中央病院・内視鏡部), 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 今岡 大(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 小倉 健(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 羽場 真(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 永塩 美邦(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 長谷川 俊之(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 品川 秋秀(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 稲葉 吉隆(愛知県がんセンター中央病院・放射線診断・IVR部), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】消化器癌診療においては癌性腹膜炎に伴う腸管機能不全・閉塞により腸管の減圧を必要とする症例をしばしば経験する。対策として短期には経鼻胃管法、長期には経内視鏡的胃瘻増設術(PEG)が行われることがあるが適応に制限がある。2011年4月、胃瘻増設が困難な症例に対し経皮経食道胃管挿入術(PTEG)が保険収載された。今回我々は、癌性腹膜炎患者に対し腸管減圧を目的として施行したPTEG症例の有用性、安全性について検討した。【方法】対象は1999年から2010年の間に当院にてPTEGを施行した癌性腹膜炎患者53例(平均年齢59歳、男:女=25:28)、原疾患としては胃癌24例、結腸・直腸癌17例、膵癌7例、他疾患5例であった。PTEGは全例で局所麻酔下に経食道的に超音波ガイド、透視下で非破裂型穿刺用バルーン(Rupture-free Balloon)を用い作成し、8-15Frドレナージチューブを使用した。PTEGの有用性と安全性をretrospectiveに検討した。【結果】PTEGの施行理由は全例腹水貯留によるPEG困難であった。手技は53例全例で成功し、全例で嘔吐など狭窄症状の改善を認めた。1例(1.9%)で食道損傷を認めたが保存的に軽快した。施行前に狭窄症状に対し経鼻胃管またはイレウスチューブを使用していた症例は46例(86.8%)で、全例でPTEGに変更してよかったと回答した。PTEG後の平均生存期間は58(7-205)日であり、21例(39.6%)で在宅へ移行することが可能であり、14例(26.4%)で抗癌剤治療の継続が可能であった。チューブ交換は24例(45.3%)で必要であった。経過中に誤嚥性肺炎や感染等の偶発症は認めなかった。【結論】PTEGは胃瘻増設が困難な癌性腹膜炎患者に対して増設することで、QOLやADLの向上につながる有用な方法であり、かつ安全で低侵襲な手技であることから今後の普及が期待される。 |
索引用語 | PTEG, 癌性腹膜炎 |