セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他3 |
---|---|
タイトル | 消P-664:消化器癌における脂肪酸合成酵素fatty acid synthase(FAS)の血清マーカーとしての有用性の検討 |
演者 | 伊藤 智彰(順天堂大静岡病院・外科) |
共同演者 | 折田 創(順天堂大静岡病院・外科), 櫻田 睦(順天堂大静岡病院・外科), 前川 博(順天堂大静岡病院・外科), 多田 隆士(順天堂大静岡病院・外科), 森脇 稔(順天堂大静岡病院・外科), 梶山 美明(順天堂大附属順天堂医院・食道・胃外科), 阿部 雅明(順天堂大・病理・腫瘍学), 樋野 興夫(順天堂大・病理・腫瘍学), 佐藤 浩一(順天堂大静岡病院・外科) |
抄録 | 【目的】fatty acid synthase(FAS)は、腹腔内脂肪織をはじめ、肝、脳などに存在するcarbohydrateから脂肪酸を合成する代表的なprimary enzymeであるが、食道癌、胃癌、大腸癌などの消化器癌をはじめ多くの固形癌に発現していると報告されている。また、我々は、乳癌、膵癌において血清FAS濃度も健常者コントロール群に比べ高いことを報告してきている。今回、我々は、胃癌、大腸癌患者において、血清FAS濃度の測定を行い、腫瘍マーカーとしての有用性を検討した。【対象】当院で2008年から2011年に経験した胃癌、大腸癌患者のうち血清FAS測定が可能であった60例(胃癌47例、大腸癌13例)。胃癌症例:年齢33~89歳(平均72.2歳)、男女比は37:10、組織型は、分化型腺癌:32、未分化型腺癌:15でStageは、I:26、II:6、III:12、IV:3。大腸癌症例:年齢34~87歳(平均67.2歳)、男女比は8:5、Stageは、0:2、II:5、III:6。【方法】これらの症例で血清FAS測定を行い臨床病理学的因子と比較した。【結果】血清FASの測定を行ったところ(健常者153名:平均2.32ng/ml)、胃癌症例StageI : 26.93 ng/ml、StageII : 35.32 ng/ml、StageIII : 30.37 ng/ml、StageIV : 50 ng/mlであった。大腸癌症例Stage0 : 28.05 ng/ml、StageII : 35.14ng/ml、StageIII : 25.94ng/mlであった。【考察】胃癌、大腸癌症例で血清FAS濃度は健常者に比較し、いずれのStageでも高かった。しかし、胃癌、大腸癌ともにStageと血清FAS値に相関関係は認めなかった。血清FAS値は、早期より高かったことより、消化器癌の早期診断に有用である可能性が示唆された。 |
索引用語 | 脂肪酸合成酵素, fatty acid synthase |