セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他3

タイトル 消P-666:

当院におけるアメーバ赤痢関連疾患の集計

演者 小林 久里子(済生会川口総合病院・消化器内科)
共同演者 伴 慎一(済生会川口総合病院・病理診断科), 高杉 秀明(済生会川口総合病院・消化器内科), 平田 嘉幸(済生会川口総合病院・消化器内科), 目時 亮(済生会川口総合病院・消化器内科), 井上 勝徳(済生会川口総合病院・消化器内科), 濱田 清誠(済生会川口総合病院・消化器内科), 松井 茂(済生会川口総合病院・消化器内科), 小柳 佳成(済生会川口総合病院・消化器内科), 関根 忠一(済生会川口総合病院・消化器内科), 原澤 茂(済生会川口総合病院・消化器内科), 佐藤 雅彦(済生会川口総合病院・外科)
抄録 【対象・方法】1997年1月から2011年12月までに当院で経験した17例のアメーバ赤痢関連疾患を集計し、臨床的考察を加えた。【結果】当科受診時年齢は25~77歳で、平均48歳、男女比は16:1であった。17例の内訳はアメーバ性大腸炎が12例、アメーバ赤痢が1例、アメーバ性肝膿瘍が3例、アメーバ性大腸炎と肝膿瘍の合併が1例であった。感染経路は海外渡航歴のあるものは1例、風俗業経験者が1例、HIV陽性の同性間性交歴あるものが1例で、他は感染経路不明であった。アメーバ性大腸炎のほとんどに下痢や腹痛などの症状を認めたが、1例は便潜血反応陽性にて当科を受診した無症状例であった。【考察】アメーバ性大腸炎例は基礎疾患を有せず、無症状から血性下痢まで症状に個人差があった。一方、アメーバ性肝膿瘍例は全例に高熱と腹痛が認められ、大量飲酒者や担癌患者などなんらかの基礎疾患を有する易感染性宿主に多いと考えられた。血清赤痢アメーバ抗体価は診断に有用で肝膿瘍の場合は高率に陽性となるが、大腸炎の場合は陰性となることもあり、その際は診断的治療が有用であった。【結語】1997年1月から8年間は1例の経験もなかったが、2005年から2011年の7年間で17例のアメーバ赤痢関連疾患を経験した。全国的にも報告数は増加しており、届け出のされていない症例も含めるとかなりの患者数であることが予想される。慢性下痢や肝膿瘍の際にはアメーバ赤痢も鑑別疾患の一つとして疑うことが重要である。
索引用語 アメーバ性大腸炎, アメーバ性肝膿瘍