セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他4

タイトル 消P-673:

プロトンポンプ阻害薬長期内服と血清Mgについての検討

演者 竹田 康人(石川県立中央病院・消化器内科)
共同演者 辻 国広(石川県立中央病院・消化器内科), 木藤 陽介(石川県立中央病院・消化器内科), 伊藤 錬磨(石川県立中央病院・消化器内科), 中西 宏佳(石川県立中央病院・消化器内科), 林 智之(石川県立中央病院・消化器内科), 早稲田 洋平(石川県立中央病院・消化器内科), 辻 重継(石川県立中央病院・消化器内科), 竹村 健一(石川県立中央病院・消化器内科), 山田 真也(石川県立中央病院・消化器内科), 土山 寿志(石川県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】海外ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)長期内服により低Mg血症を来す症例が報告されており、米国食品医薬品局よりPPIを1年以上長期に服用した場合に低Mg血症を来す可能性があると注意喚起されている。実臨床で認識した経験は乏しく、今回はPPIと血清Mgについて検討する。【方法】2011年10月から12月までに当院内科外来に通院中の1742名中、年齢、性別、PPI内服の有無、基礎疾患(肝硬変、糖尿病、高血圧)、生化学検査値(Cr、Na、K、Ca、P、Alb、Mg)についてのデータが得られた409名を対象とした。1年以上内服している症例をPPI内服症例とした。血清Mgを目的変数として各項目についての単変量、多変量解析を行った。【成績】平均年齢は64.3±14.1歳、男女比は217:192、PPI内服症例は127名、PPI非内服症例(1年未満の内服症例は44名、内服なし症例は238名)は282名であった。主な基礎疾患は(重複あり)、肝硬変が112名、糖尿病が60名、高血圧が93名であった。PPI内服症例の血清Mg(1.84±0.22mg/dl、最低値1.2mg/dl)は、PPI非内服症例の血清Mg(1.91±0.19mg/dl、最低値1.1mg/dl)と比較し有意(P<0.05)に低値であった。単変量解析で肝硬変、PPI内服の有無、血清Ca、血清Pにて有意差(P<0.05)を認め、多変量解析で肝硬変、PPI内服の有無、血清Caにて有意差を認めた。【結論】PPI内服症例は非内服症例と比較して血清Mgが低値であった。多変量解析にて血清Mgと関連が示唆された因子について、肝硬変は必須栄養素の不足により血清Mgの低下が起こるとされ、血清Mgは副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌に関与しており、低Mg血症はPTH分泌低下を生じ低Ca血症を起こすとされている。本邦においてもPPI長期内服症例は低Mg血症の傾向にあり、血清Mgに留意する必要がある。
索引用語 PPI, Mg