セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他4

タイトル 消P-674:

酸分泌抑制剤使用と骨密度・骨代謝との関連

演者 浅岡 大介(順天堂大・消化器内科)
共同演者 永原 章仁(順天堂大・消化器内科), 長田 太郎(順天堂大・消化器内科), 北條 麻理子(順天堂大・消化器内科), 吉澤 孝史(順天堂大・消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大・消化器内科)
抄録 【目的】酸分泌抑制剤はGERDや消化性潰瘍の治療において世界中で用いられているが、近年欧米で酸分泌抑制剤使用と骨折リスクとの関連に関する報告が相次いでいる。わが国も高齢化に伴い骨粗鬆患者も増加傾向にあるが、酸分泌抑制剤使用歴と骨代謝との関連の報告はない。今回、酸分泌抑制剤使用と骨代謝との関連を検討することを目的とする。【方法】2008年4月~2012年2月までに当科にて(1)腰椎DEXA(Bone Mineral Density(BMD), T-score, YAM%, Z-score),(2)骨代謝マーカー(NTX,BAP),(3)上部消化管内視鏡(逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア)の検査を受けた50歳以上の患者を対象とした。対象患者は、(A)酸分泌抑制剤非使用群(非使用群)、(B)プロトンポンプ阻害剤使用群(PPI群)、(C)H2レセプター拮抗薬使用群(H2RA群) の3群に分類し、問診(身長・体重・年齢)の上、上記項目について3群間で比較検討した。ステロイド剤・ビスフォスフォネート・Vit.D製剤内服症例、甲状腺・副甲状腺疾患・胃切除後症例は除外した。【成績】非使用群は100例(男性50例、女性50例、平均年齢62.9±9.3歳)、PPI群は68例(男性33例、女性35例、平均年齢64.5±9.5歳)、H2RA群は24例(男性14例、女性10例、平均年齢63.6±9.4歳)。3群間で年齢・性・身長・体重に差は認めなかった。非使用群と比べPPI群ではBMD, T-score, YAM %, Z-scoreが低値であった(p<0.05)。H2RA群と比べPPI群では、BMD, T-score, YAM %がいずれも低値であった(p<0.05)が、非使用群とH2RA群の間では差は認めなかった。骨代謝マーカーや逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニア有病率に3群間で差は認めなかった。【結論】各種酸分泌抑制剤のうち、PPIの使用は骨代謝に影響を及ぼす可能性が示唆された。
索引用語 骨粗鬆症, PPI