セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他4

タイトル 消P-676:

GISTに対するイマチニブとスニチニブの位置づけ

演者 高橋 広喜(国立仙台医療センター・消化器内科)
共同演者 菊池 弘樹(国立仙台医療センター・消化器内科), 塩塚 かおり(国立仙台医療センター・消化器内科), 野口 謙治(国立仙台医療センター・消化器内科), 木村 憲治(国立仙台医療センター・消化器内科), 岩渕 正広(国立仙台医療センター・消化器内科), 真野 浩(国立仙台医療センター・消化器内科), 鵜飼 克明(国立仙台医療センター・消化器内科), 田所 慶一(国立仙台医療センター・消化器内科), 武田 和憲(国立仙台医療センター・外科), 鈴木 博義(国立仙台医療センター・臨床検査科)
抄録 【目的】当院で過去10年間に診断したGIST 51症例においてイマチニブ投与16例さらにスニチニブ投与2例を経験したので治療成績や問題点について検討を行った. 【成績】1) 進行・再発GISTに対する治療群: 12 例. 食道GIST 1例は切除困難例であったがイマチニブ投与のみで約5年間病勢コントロールされている. 胃GISTは 6例であった.進行胃GISTの2例はイマチニブ投与後 PRとなり, その後1例において原発巣の切除を施行したが20か月後にイマチニブ耐性GISTとして再発し, スニチニブを導入するも骨髄抑制のため継続投与できず死亡した. 再発胃GIST 4例は術後3カ月から1年で肝転移・腹膜播種を認めイマチニブを投与し, PR~SDとなりイマチニブ継続投与中である. 十二指腸GIST 1例は術前補助治療としてイマチニブ導入後PRとなり6カ月をめどに手術を検討している. 小腸GIST 1例は肝転移・腹膜播種で再発し肝切除後にイマチニブを開始した. 24ヶ月後にイマチニブ耐性となったが, 可能な限り腹膜播種巣の摘出術後にスニチニブに移行し加療するも20カ月目に死亡した. 直腸GIST 2例は局所再発の切除術後にイマチニブを導入し, 再発なく継続投与中である. 横行結腸間膜由来のGIST 1例は膵腫瘍による癌性腹膜炎が疑われたがmass reduction目的に原発巣の切除術後GISTと診断され, 術後イマチニブ投与を開始しSDとなり投与継続中である.2) 術後補助療法群: 4例. 胃3例, 小腸1例のhigh risk群に対し術後1年以上を目標にイマチニブ投与を施行した. 投与中に再発した例はないが有害事象のために全例減量投与を要し2例は休薬後再投与できず中止となっている.【結語】GISTに対するイマチニブとスニチニブによる分子標的治療と手術の組み合わせは高度進行例や再発例においても病勢のコントロールが可能な場合が多く, 適切な治療選択にて高いQOLの改善が得られると思われた.
索引用語 GIST, イマチニブ