セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他5

タイトル 消P-678:

進行肝癌、進行膵癌に対するミサトール投与の試み

演者 高木 均(国立高崎総合医療センター・消化器内科)
共同演者 星野 崇(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 長沼 篤(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 小板橋 絵里(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 坂本 直美(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 相馬 宏光(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 乾 正幸(国立高崎総合医療センター・消化器内科), 坂本 一郎(国立高崎総合医療センター・外科), 山田 達也(国立高崎総合医療センター・外科)
抄録 【目的】ミサトールは青梅果汁の加熱濃縮液を主原料とする栄養補助食品であり、in vitro, in vivoにおける抗腫瘍効果が報告されてきた。今回我々は、本剤を用いて、難治性の肝癌、膵癌に対する効果を検証することとした。【対象】PS2まで、かつ年齢85歳以下の原発性肝癌と膵癌。原発性肝癌は局所治療不能例でソラフェニブ無効例ないしは不耐例。膵癌は手術不能で、総ビリルビン5mg/dl以下、化学療法の無効例、乃至は不耐例を対象とした。【投与方法】IRB認可の上、ミサトールMEを朝、夕、各1包ずつを12週間を目標に服用する。効果判定:飲用前後で画像診断を施行しmodified RECISTにより効果判定をおこなった。【結果】原発性肝癌は9例、膵癌は5例に投与され、うち、12週以上服薬可能の評価可能患者は各々6例、3例であった。副作用は膵癌一例で服薬開始後2週間で嘔気が強まり中止となった他は見られなかった。原病悪化による中止は4例であり、2週間から2か月の服薬期間での脱落例であった。3か月以上服薬した症例は肝癌6例中、Stage III 1例、Stage IVa 5例であり、SD3例、PD3例,膵癌ではSD1例、PD2例、overall survivalは肝癌6.3か月、膵がん4.3か月であった。肝癌SD3例中2例はAFPの低下を認め、膵癌のSD1例でもCEAの低下を認めた。またいずれも難治症例であったが、他の治療法の選択困難な状態でミサトール導入の説明を受け、服薬開始時には積極的な受け入れを示し短期的ではあるが日常生活への意欲の向上が見られた。【まとめ】進行肝癌、進行膵癌に対するミサトール投与はPR以上の有効例は得られなかったが、病勢制御は33.3%, 20%で得られた。副作用は軽度であり、末期状態での選択可能な薬剤への期待感からかQOLの改善が得られた。今後進行例以外の症例も含めたさらなる検証を要するが、ミサトールは肝癌、膵癌に対する1つの治療選択肢として考慮すべきものと考えた。
索引用語 ミサトール, 進行がん