セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他6

タイトル 消P-687:

膵・胆道癌患者に対する緩和ケアチームの取り組み~病棟密着型ミニチームの薦め

演者 高山 敬子(東京女子医大・消化器内科DELIMITER東京女子医大・化学療法・緩和ケア科)
共同演者 奥山 隆二(東京女子医大・化学療法・緩和ケア科), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器内科)
抄録 【背景と目的】膵・胆道癌は極めて予後不良であり、出現する症状も短期間で多彩で、早期から緩和医療を行っていくことが重要である。当院では緩和医療の充実を図るため、2011年度に病棟の緩和ケア医師・がん性疼痛認定看護師・緩和薬物療法認定薬剤師で病棟密着型ミニチームを編成し、必要な患者へ介入しやすくしたので、その成果を報告する。【対象と方法】ミニチーム編成前後期(2009・2011年)で、当院消化器内科の進行膵・胆道癌患者を対象に、入院中のチーム介入率・鎮痛薬使用率・使用量を比較検討した。【結果】のべ患者数は前期:133例、後期:115例。性別・年齢・疾患・入院回数は有意差なし。チーム介入率は27.1%:61.7%と後期で上昇していた。NSAIDs使用率(49.6%:62.6%)・弱オピオイド使用率(11.3%:27.0%)は後期で高かった。強オピオイド使用率は、前後期で差は無かったが(22.6%:32.2%)、前期ではチーム介入に関わらず同等であったのに対し(18.6%:33.3%)、後期では上昇していた(9.1%:45.7%)。鎮痛補助薬使用率はチーム介入により上昇はしていたが、前後期で差はなかった。強オピオイド総使用量(モルヒネ注射剤換算)は、前期ではチーム介入の有無で差は無かったが、後期では介入により有意に増加していた。強オピオイド1日平均使用量は後期で増加傾向を認め(4.8+/-1.2mg/日:6.2+/-1.2mg/日)、チームが介入していた患者でも後期の方が増加傾向を認めていた(8.8+/-3.1 mg/日:9.6+/-1.9mg/日)。【まとめ】病棟密着型ミニチームを編成することで、担当医療者からよりコンサルトがしやすく、また患者の主訴も拾い上げやすくなり、早期から介入できることが介入率の増加につながったと思われた。また早期からの介入により、オピオイド導入・増量などもより適切なタイミングで行えていると考えられた。
索引用語 緩和ケア, 膵胆道癌