共同演者 |
蔵 昌宏(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 池本 慎一(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 橋村 俊哉(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 稲森 雅幸(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 松本 伸治(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 柚木原 和子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 小林 啓子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 本多 紀子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 諸石 みゆき(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 城内 陽子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 佐古田 祐子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 長谷 圭悟(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 長井 直子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 井谷 裕香(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 佐々木 洋(八尾市立病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】2007年4月より,がん対策基本法が施行され,緩和ケアの重要性が認識されるようになった. 当院は,病床数380床の急性期病院であり,大阪府がん診療拠点病院に指定されている.当院では,2008年2月から緩和ケアチーム(PCT)が発足し,活動を開始した. 当院における消化器癌患者に対するPCTの取り組みと今後の展望について報告する.【対象と方法】2008年2月から2011年12月までにPCTが介入した,全患者197例中,消化器癌患者64例(32%)を対象とした(胃癌9例,大腸癌16例,肝臓癌13例,胆道癌9例,膵癌14例,十二指腸癌2例,小腸癌1例).PCTの介入状況について検討した.【結果】当院のPCTはコンサルテーション型の緩和ケアを行っており,構成は,医師6名(外科医,麻酔科医,泌尿器科医,内科医),看護師6名(緩和ケア認定看護師2名含む),薬剤師1名,MSW1名,臨床心理士1名,事務職1名の計14名である.活動内容は,週3回緩和ケア回診を施行し,さらに週1回カンファレンスを開催し,個々の症例に詳細な検討をしている. PCT依頼内容は,疼痛コントロールが多く, PCT介入後,オピオイド製剤や鎮痛補助剤の使用量の増加やオピオイドローテーションなどが全例で施行されていた.消化管閉塞に伴う消化器症状に対しては,バイパス術を施行した症例や,酢酸オクトレオチドの投与など消化器外科医としての判断が有効である症例もあった.PCT介入時期は,64例中43例(67%)が最終入院中であった.64例中21例は,最終入院以前から介入しており,21例中1例は,術前から終末期まで介入していた.最終転帰は,死亡退院52例,転院・在宅移行12例であった. 【まとめ】消化器癌患者に対して,適正な薬剤使用やシームレスなチーム医療の実践などのPCTによる介入効果を認めた.治療早期から家族ケアも含めて積極的に介入する体制作りや転院,在宅移行への支援が今後の課題である. |