セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他8

タイトル 消P-696:

腹水貯留で発症した腹膜原発の肉腫型びまん型悪性中皮腫の一剖検例

演者 永塚 真(岩手県立中央病院・消化器科)
共同演者 池端 敦(岩手県立中央病院・消化器科), 三浦 真奈美(岩手県立中央病院・消化器科), 高橋 太郎(岩手県立中央病院・消化器科), 金澤 義丈(岩手県立中央病院・消化器科), 小原 範之(岩手県立中央病院・消化器科), 城戸 治(岩手県立中央病院・消化器科), 高橋 健一(岩手県立中央病院・消化器科), 大方 英樹(岩手県立中央病院・消化器科), 松本 信(岩手県立中央病院・消化器科), 八重樫 弘(岩手県立中央病院・病理診断センター), 村上 晶彦(岩手県立中央病院・内視鏡科), 天野 良彦(岩手県立中央病院・内視鏡科)
抄録 【症例】70歳代,男性.主訴:腹部膨隆,両下肢浮腫.既往歴:高血圧,狭心症.職業歴:冷暖房機の製造取り付け業.現病歴:直近2年間の胃検診では異常なく,3ヵ月前から両下肢の浮腫を自覚した.多量腹水を指摘され精査目的に当科紹介となった.現症:結膜に貧血や黄疸なく,表在リンパ節触知せず.腹部に圧痛なし.血液検査では低蛋白,低アルブミン血症を呈し, CEAやCA19-9は正常範囲であった.また尿蛋白は陰性であった.腹水検査では橙黄色の滲出性腹水で細胞診陰性,抗酸菌塗抹陰性であった.腹水中ヒアルロン酸は38700 ng/mlであった.CTでは多量腹水,腸管膜の不均一な肥厚と造影効果があり,肝硬変や脾腫はみられなかった.上部内視鏡検査では前庭部に柔らかい腫瘤があり生検では悪性像はみられなかった.注腸造影ではS状結腸憩室のみであった.蛋白漏出シンチでは消化管への蛋白漏出はなく,PETでは胃前庭部にFDGの集積がみられた.再検した内視鏡で前庭部腫瘤は増大していたが,生検で悪性像は指摘されなかった.入院後は利尿剤,補液,腹水濃縮還元などで治療したが,徐々に衰弱進行し第35病日に永眠された.解剖所見:血性腹水3000ml貯留.腹腔内臓器は強く癒着し全体がびまん性に線維化を伴い肥厚がみられた.胃後壁,横行結腸間には網嚢があり,内腔表面は白色線維化していた.胸腔側や縦隔側に著変はみられなかった.組織学的に胃粘膜には異型細胞なく,漿膜側では紡錘形の異型細胞が密に増殖し肉腫を思わせる組織像であった.免疫染色では中皮性マーカーCalretininに陽性,上皮性マーカーAE1/AE3、CAM5.2にも陽性を示した. MIB-1 陽性細胞42%と高く,肉腫型の悪性中皮腫と診断された.【結語】腹水貯留で発症し短期間に急激に進行した腹膜原発の肉腫型びまん型悪性中皮腫の一剖検例を経験した.
索引用語 肉腫型びまん型悪性中皮腫, 病理解剖