セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)その他8 |
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タイトル | 消P-698:潰瘍性大腸炎に併発したベーチェット病の一例 |
演者 | 広崎 拓也(市立半田病院) |
共同演者 | 大塚 泰郎(市立半田病院), 神岡 諭郎(市立半田病院), 森井 正哉(市立半田病院), 島田 礼一郎(市立半田病院), 岩下 紘一(市立半田病院), 川口 彩(市立半田病院) |
抄録 | 症例は30歳代、女性。平成21年7月より直腸型潰瘍性大腸炎にて近医通院していた。平成22年9月頃より微熱、倦怠感出現。改善せず、平成22年12月に当院紹介となった。その後自然軽快したため外来にて経過観察していたが、2月に多発口腔内潰瘍、四肢、陰部に毛嚢炎様皮疹出現。眼症状有り、ベーチェット病と診断し、コルヒチン1.5mg/day開始した。開始から4日後、発熱、眼症状、口腔内潰瘍、嚥下時の痛みなどの症状が増悪。摂食障害をきたし入院となった。下腹部痛、下痢、血便も認めていたため、上部下部消化管内視鏡検査施行した。上部消化管内視鏡検査では、食道全体に打ち抜き潰瘍を多数認め、胃全体、十二指腸球部にもアフタを認めた。下部消化管内視鏡検査では、回腸にアフタ、上行から横行結腸にかけて深掘れの打ち抜き潰瘍を認め、生検、培養を提出した。また直腸に粗雑な粘膜、血管透見低下、発赤、びらんを認め、ベーチェットと潰瘍性大腸炎の合併が疑われた。培養は陰性で、結核菌培養も陰性であった。直腸の病理組織は、びまん性炎症細胞浸潤、陰窩膿瘍の形成を認め、腺管の配列が不規則であり、活動性の潰瘍性大腸炎の所見を認めた。すべての検体においてウイルス性の封入体や肉芽腫といった所見は認めなかった。コルヒチン1.5mg/day継続にて症状改善し、第13病日に退院となった。その後病態は安定していたが、6月に嚥下時の胸痛を訴え、上部消化管内視鏡検査を施行。軽度改善傾向であった。平成23年7月下顎歯肉口内炎が悪化し、開口障害をきたし再入院。下痢、下血も認めた。ステロイド開始して次第に症状は改善し、第10病日退院した。その後増悪寛解を繰り返していたが、平成24年2月上部下部消化管内視鏡検査施行したところ、食道潰瘍、胃十二指腸アフタは消失。下部消化管内視鏡では潰瘍の瘢痕化を認めた。直腸病変も軽度の改善を認めた。今回我々は、潰瘍性大腸炎に併発したベーチェット病の一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | ベーチェット病, 潰瘍性大腸炎 |