セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

その他8

タイトル 消P-699:

中腸軸捻転を伴った回転異常症の1例

演者 渡邉 照彦(鹿児島市医師会病院・外科)
共同演者 川井田 啓介(鹿児島市立病院・外科), 安田 洋(鹿児島市医師会病院・外科), 井上 真岐(鹿児島市医師会病院・外科), 川村 秀尚(鹿児島市医師会病院・外科), 中薗 俊博(鹿児島市医師会病院・外科), 狩集 弘太(鹿児島市医師会病院・外科), 門野 潤(鹿児島市医師会病院・外科), 石崎 直樹(鹿児島市医師会病院・外科), 大迫 政彦(鹿児島市医師会病院・外科), 田畑 峯雄(鹿児島市医師会病院・外科), 夏越 祥次(鹿児島大・腫瘍制御学)
抄録 腸管回転異常症は、胎生期の腸管の回転および固定の異常に起因する先天性疾患である。今回、回転異常を有し、中腸軸捻転を起こした症例を経験した。患者は19歳の女性。2010年10月下旬、突然の腹部仙痛が出現し入院となった。仙痛は周期的に増悪・軽減を繰り返した。採血検査では白血球増多以外はほぼ正常であった。腹部の造影CTにてSMAを中心に軟部組織が渦巻き状に取り巻くwhirl-like patternが認められた。SMVはSMAの左側に認められ、膵鉤部の低形成も見られた。以上のCT所見より腸回転異常による中腸軸捻転を起こしていると診断し、緊急開腹手術を施行した。 まず腹腔鏡下に手術を開始した。途中約8cmの上腹部正中切開を加え開腹操作に移行した。小腸間膜内の静脈は怒張し,腹腔内に比較的少量の乳糜腹水を認めた。用手的に捻転を解除すると、腸管の色調不良はすぐに改善した。予防的虫垂切除を行ったが、腹壁への腸管の固定術は施さなかった。術後の経過は良好であった。腹腔鏡は有用であったと考える。
索引用語 回転異常, 腹腔鏡