セッション情報 ランチョンセミナー(消化器病学会)

進行再発胃癌に対する化学療法と検査の現状

タイトル ラン12-1:

進行再発胃癌に対する化学療法と検査の現状

演者 土井 俊彦(国立がん研究センター東病院・消化管腫瘍科DELIMITER国立がん研究センター東病院・消化管内科)
共同演者
抄録 切除不能再発胃癌においての化学療法は、TOGA試験の結果により大きく変化した。HER2陽性胃癌において、trastuzumab併用化学療法は、標準治療のひとつとして臨床応用され、胃癌においての個別化医療の時代が幕開けした。HER2発現の判定には、手術標本のみでなく内視鏡下生検による組織診断(免疫染色、FISH))が必須であり、組織採取、標本作製、診断のプロセスの標準化が行われている。特に、heterogenietyの強い胃癌においては、組織サンプリングが陽性率を左右するとの報告もあり、適正化も必要になってきている。最終部位、採取数、固定液の管理など内視鏡検査自体が、切除不能進行胃癌患者の治療方針を影響することも予測される。また、個別化医療を目指した、胃がんやほかの消化器がん領域で新規薬剤でのPOC/MOAの証明に内視鏡での組織採取がTR分野でも注目されている。HER2分子を中心とする新たな胃癌の治療開発の方向性を述べるとともに、内視鏡検査における留意点について触れてみたい。
索引用語