セッション情報 シンポジウム1(消化器病学会・肝臓学会合同)

肥満と消化器疾患

タイトル 消S1-8追2:

肥満と大腸腺腫発育に関する検討

演者 佐藤 友美(川崎医大川崎病院・健康管理センター)
共同演者 鎌田 智有(川崎医大・消化管内科), 野崎 良一(高野病院・消化器内科)
抄録 【目的】肥満が大腸腺腫発育にどのような関連性があるかを検討した。【方法】対象は大腸肛門病センター高野病院健診センターで約15年間に初回内視鏡検査を受診した男女14,582名とした。今回発見された大腸腺腫症例の発育(大きさ)と肥満(BMI≧25)との関連性を検討するために、腺腫の大きさは5mm未満(5mm未満)、5mm以上10mm未満(5mm)、10mm以上15mm未満(10mm)、15mm以上20mm未満(15mm)、20mm以上(20mm)とし、統計学的有意差検定にはχ2検定、関連性について多変量解析ロジスティック回帰分析を用い、オッズ比(OR)を算出した。【成績】大腸腺腫を認めない症例で肥満群が占める割合は13,110例中3,275例(25.0%)、大腸腺腫症例では1,472例中472例(32.1%)となり、群間比較では有意差を認め、肥満群における大腸腺腫発生のORは1.28倍(p<0.001、非肥満群OR=1)であった。さらに5mm未満、5mm、10mm、15mm、20mmの腺腫のうち肥満群の占める割合はそれぞれ28.7%、31.7%、34.1%、34.7%、40.0%で大きさに比例して有意に高くなり、肥満と腺腫の大きさとの関連性について0mmを1とした場合の各ORは1.21倍(p=0.27)、1.39倍(p<0.001)、1.58倍(p<0.01)、1.59(p=0.06)、2.00倍(p=0.03)となった。【結論】肥満は大腸腺腫発生のリスク要因となり、大腸腺腫の発育(大きさ)においても有意に関連性が認められた。
索引用語 肥満, 大腸腺腫