セッション情報 |
シンポジウム4(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
進行肝癌に対する治療戦略
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タイトル |
肝S4-5:進行肝癌に対する放射線治療の役割
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演者 |
中山 康弘(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)) |
共同演者 |
大西 洋(山梨大・放射線医学), 榎本 信幸(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)) |
抄録 |
【背景】進行肝癌に対する治療は様々なものがあるが放射線治療はその役割がいまだ定まっていない。今回集学的治療の一環として行った肝細胞癌の肝内病変に対する放射線治療について検討を行った。【方法】対象は2005年より2010年12月までに当科で肝内病変に対し放射線治療を行った患者29例。男性/女性=23/6例、平均年齢75歳、肝予備能はchild A/B/C=18/10/1例。定位放射線治療(SRT)による根治治療が17例、脈管浸潤に対する姑息的治療が12例で、特にSRT群はchildAが15例と多かった。実際に行われた総線量の平均はSRTで51Gy、姑息群で45Gyであった。姑息群のうち5例で何らかの化学療法を併用した。【結果】SRT群となった症例は総じてstageが比較的軽いが、高齢、重篤な多臓器疾患(肺気腫、低心機能、他臓器癌)の合併で根治手術不能でRFAも困難であった全17例。平均最大腫瘍径は35mmで、stageI/II/III/VI=1/9/6/1例であった。治療成績はCR/PR/SD/PD=11/5/0/1で奏効率(CR+PR)は94%と極めて良好で、局所再発は3例に認めたのみで無再発期間は平均16カ月、平均生存期間は17カ月でそのうち12例(71%)が未だ生存している。重篤な有害事象は1例に肝膿瘍を生じたのみである。一方姑息群は全12例。平均最大腫瘍径は39mmで、stageI/II/III/VI=0/0/1/11/例であった。治療成績はCR/PR/SD/PD=1/2/4/5例で奏効率(CR+PR)は25%。1例に放射線性胃炎を認めた。平均生存期間は10.5カ月で3例(25%)が未だ生存しているのみである。【結語】SRTは短期的には局所治療に劣らない良好な治療成績が得られる。今後は長期観察で症例を重ねる必要がある。また門脈栓に対する放射線治療の有効性は限られたものであるが時に有効な例もあり、予後改善効果の有無をさらに検討する必要がある。 |
索引用語 |
定位放射線治療, 肝細胞癌 |