セッション情報 |
シンポジウム4(肝臓学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
進行肝癌に対する治療戦略
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タイトル |
肝S4-8:Vp3/4-HCCに対する治療~リザーバー肝動注化学療法(RV)とSorafenib(So)の患者選択症例から考える
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演者 |
森口 理久(静岡がんセンター・画像診断科) |
共同演者 |
新槇 剛(静岡がんセンター・画像診断科), 遠藤 正浩(静岡がんセンター・画像診断科) |
抄録 |
【目的】脈管浸潤を有するHCCに対するSoの有用性がSHARP trialのサブ解析で示されている。一方、本邦ではRVの有用性を示す報告が散見され、重要な選択肢の一つとなっている。現在当院ではVp3/4-HCCに対しSoとRVを提示し、患者選択で治療法を決定しているが、この方法で加療した17例を検討し、Vp3/4-HCCの治療戦略につき考察する。【方法】治療法の選択状況、治療法別の奏効率(RR)、病勢制御率(DCR)、治療成功期間 (TTF)、全生存期間(OS)、生存期間中央値(MST)、有害事象(AE)につきRECIST v1.0、CTCAE v3.0、Kaplan-Meier法で検討する。また、後治療も解析し、RV後のSo(So*)の成績も検討する。【結果】患者背景は、年齢:68(48-80)歳、性別:M/F;15/2、PS:0/1;8/9、Vp3/4:10/7、肝外転移有:6、前治療/TACE歴有:10/9、C-P 5/6点:5/12、HBV/HCV/NBNC:4/10/3、選択治療:RV/So;12/5、動注レジメン:LFP/IFN-5FU;7/5、So(So*)開始用量:1日800/400mg;9/1であった。治療法別有効性は、So;RR/DCR:0/25%(評価未:1)、MST=89日、TTF=25日に対し、RV;RR/DCR:40/70%(評価未:2)、MST=421日、TTF=91日であった。後治療は、Soの全3例で緩和医療(全身状態不良、肝不全)、RVではSo/RFA/TACE:5/1/1例が施行され、3例は緩和医療(So提示も希望なし;2、肝不全:1)であった。So*の成績は、RR/DCR:25/50%(評価未:1)、MST165日、TTF=28日であった。Gr.3以上のAEは 、So;PLT↓:1、AST/ALT↑:1、Bil↑:1、肝性脳症:1、倦怠感:1、So*;AST/ALT↑:2、倦怠感:1、手足皮膚反応:1、S-J synd:1で、RV;neutro↓:5、PLT↓:2、Hb↓:1、AST/ALT↑:2で、AE中止例はSo/So*:3/3、RV:1(肝動脈閉塞)であった。【結論】患者選択で治療法を決定したVp3/4-HCC症例につき検討した。RVの成績は比較的良好で、後治療の導入が可能、So*はSoと同様の成績であり、Vp3/4-HCCに対しては、RV先行→無効時Soという治療戦略を考慮すべきと考えられた。なお、SoについてはAE中止例が多く、減量開始の検討も必要と思われる。 |
索引用語 |
Vp3/4-HCC, 患者選択 |