セッション情報 |
シンポジウム6(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
消化器がん検診における新しい診断法の実用性
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タイトル |
内S6-3:H.pylori除菌後の血清ペプシノーゲン値を用いた胃癌リスク分類
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演者 |
羽田 政平(北海道大病院・3内科) |
共同演者 |
加藤 元嗣(北海道大病院・光学医療診療部), 浅香 正博(北海道大病院・3内科) |
抄録 |
【背景】効率のよい胃癌検診には胃癌高リスク群を集約した上での内視鏡検査が必要と考えられる。現在、普及してきているABC検診では、H. pylori除菌者は対象とならない。今後は、H. pylori除菌後の検診受診者が益々多くなることが予想され、効率的な胃癌検診を行うためには、除菌者を対象とした新たな胃癌リスク分類が必要である。除菌後の胃癌高リスク群の設定を目的に、除菌成功症例を基に除菌前後の血清ペプシノーゲン(PG)値を検討した。【方法】2000年1月から2010年2月までに当院にてH. pylori除菌を施行し、除菌成功として経過観察されている249例(男性139例,女性110例、平均年齢51.6歳)を対象とした。除菌前後での血清PGI、PGII、PGI/IIをアーキテクト法で測定した。除菌前のPG法陽性者(PGI:70以下かつPGI/II:3以下)に対するROC解析にて、適切な除菌後のPGI、PGI/IIを検討した。【結果】PGI、PGII、PGI/IIの平均は、除菌前で85.0、25.6、3.46、除菌後で46.6、7.78、6.15であった。除菌前のPG法陽性は57例で、そのうち強陽性(PGI:30以下かつPGI/II :2以下)は12例であった。ROC解析から除菌後PGIは30、除菌後PGI/IIは5にカットオフを設けるのが適切と判断された。両者のPG法強陽性の感度は100%であったが、PG法陽性の感度はPGI<30で59%、PGI/II<5で72%であった。また、未分化型癌のリスクが高いγ群(PGI:70以上かつPGI/II >3)、PGII>30群はPGI<30にはほとんど含まれないが、PGI/II<5では50%近く含まれた。【結語】H. pylori除菌治療後の胃癌検診受診者に対してPGI/II<5は新しい診断法となりうる。 |
索引用語 |
ペプシノーゲン, ヘリコバクターピロリ |