セッション情報 シンポジウム6(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)

消化器がん検診における新しい診断法の実用性

タイトル 検S6-10:

検診を目的としたCO2送気3D-CT colonography(CO2CTC)の有用性と受容度

演者 平山 眞章(小樽協会病院・消化器内科)
共同演者 高橋 祥(小樽協会病院・消化器内科DELIMITER札幌医大・4内科), 黒岩 巌志(小樽協会病院・消化器内科DELIMITER札幌医大・4内科)
抄録 【目的】3D-CT colonography (CTC)には精密検査としての側面と拾い上げ検査としての側面がある.さらに最近,X線陽性造影剤で標識(tagging)することにより,従来の欠点を補う手法が開発されてきている.またCFでは広く行われるようになっているCO2送気を用いることにより,その吸収の早さに伴う検査の施行しやすさや検査後における腹部膨満感の改善が想定される.そこで今回, CO2CTCを施行し,その有用性を検討するとともに,その受容度についてVASスケールを用いて検討した.【方法及び対象】CT装置は東芝製Aquilion64(64DAS)で120kV, Volume EC, 0.5mmx64, HP53, 0.5sec/rotと設定した.ワークステーションはAZE Virtual Place,ZIO M900 Quadraを用い,画像を再構成し多断面再構成画像(MPR像)を作製した.対象はインフォ-ムドコンセントを得た30例である.CTC撮像後,全例同日にCFを施行し,その挿入時間等を通常CFと比較した.また,受容度では空気送気(CTC)群11例,CO2送気(CO2CTC)群9例で検討した.【成績】平均年令は63.8才,CO2平均注入量は3443ml,注入時間は450sec.,総検査時間は14.4分であった.また,同日のCFは全例で回盲部到達可能で,挿入時間は6.7±2.3分とCF単独検査と差を認めなかった.CO2CTCの正診率は,長径8mm以上の病変で90.0%と高く,その感度は81.8%,特異度94.7%であった.本検討では2例に大腸癌を認め,共にCO2CTCで正診を得た.受容度では無鎮静CF群に比しCTC群では,1/2.45の苦痛度の改善を認めた.また,CO2CTC群とCTC群では同日の受容度に差を認めなかった.しかし,翌日の受容度ではCO2CTC群に受容性が高い傾向にあった.【結論】以上よりCO2CTCは,同日のCFに影響を及ぼさないのみならず,安全で有用と考えられ.その受容度も高いと考えられた.
索引用語 CT, 大腸