セッション情報 |
シンポジウム6(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
消化器がん検診における新しい診断法の実用性
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タイトル |
内S6-11:NBI併用内視鏡による食道癌スクリーニング
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演者 |
藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科) |
共同演者 |
門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科) |
抄録 |
【背景・目的】NBIの普及に伴い、食道癌の発見方法が変わり、ヨード染色を用いなくても、微小な病変が発見できるようになった。食道癌の拾い上げ診断におけるNBIの有用性を検討する。【対象・方法】(1) 2005年1月~2009年12月に内視鏡治療を行った食道表在癌476例中、大きさ10mm以下の126病変(微小癌52, 小癌74)について、発見方法を検討する。(2)2009年1~12月に内視鏡治療を行った159病変において、NBI所見、ヨード染色所見と病理組織像を対比し、各検査法の感度、特異度を検討する。内視鏡検査は、挿入時は白色光、抜去時はNBI観察を基本とし、ヨード染色は治療時に施行した。【結果】(1)発見方法では、0-IIbが38%を占める微小癌では白色光 21病変(40.5%)、NBI23病変(44%)、ヨード染色8病変(15.5%)であった。0-IIcが65%を占める小癌では、白色光44病変(61%)、NBI22病変(30%)、ヨード染色8病変(9%)であった。病変が小さく、凹凸が少ない病変ではNBIの発見率が高く、病変の増大、凹凸の明瞭化に伴い、白色光での発見が可能であった。EP~SM2までの深達度の症例が見られる小癌では、白色光とNBIで約9割の症例が拾い上げ可能であった。(2)159病変中、組織学的に癌と診断されたのが143病変(90%)、low-grade intraepitheliall neoplasia(LGIN)が12病変(7.5%)、非腫瘍が4病変(2.5%)であった。食道癌143病変中、白色光とNBI発見が131病変(92%)、白色隆起として発見されたのが2病変(1%)、ヨード発見が10病変(7%)であった。ヨード発見10病変は、いずれも10mm以下の深達度EP、0-IIb病変であった。LGIN 12病変中10病変はヨード染色にて発見され、残り2病変中1病変は、白色隆起で発見され、NBIで発見されたのは1病変であった。NBIとヨード染色の感度は92.9%、97.1%、特異度は80%、53.3%であった。【結語】白色光とNBIを併用することで食道表在癌の約9割が拾い上げ可能であった。NBI併用内視鏡検査は、苦痛を伴うことなく効率的に食道癌スクリーニングを行う有用な検査法である。 |
索引用語 |
食道癌, スクリーニング |