セッション情報 |
シンポジウム8(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)
消化器疾患における栄養マネージメント
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タイトル |
消S8-1:消化器疾患患者の主観的包括的評価(SGA)と在院日数
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演者 |
白木 亮(岐阜大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
寺倉 陽一(岐阜大附属病院・消化器内科), 森脇 久隆(岐阜大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】近年栄養管理の重要性が再認識され積極的な栄養マネージメントが行われるようになってきた。主観的包括的評価(SGA)は簡便で経費も不要な栄養アセスメント法であり、栄養スクリーニングとして利用されている。今回、岐阜大学医学部附属病院消化器内科入院患者にSGAを用いて栄養アセスメントを行い、SGAおよび各種客観的栄養指標と在院日数との関連につき検討を行った。【方法】2004年7月~2005年4月に当院当科に入院した患者262名(男女比145:117、年齢63±18歳)を対象とした。疾患は、消化管疾患94名、肝疾患111名、胆膵疾患57名であり、悪性疾患:良性疾患は110:152であった。SGAおよび身体計測は入院3日以内に熟練した管理栄養士が施行し、SGAおよび各種客観的栄養指標と在院日数との関連につき検討を行った。また、栄養マネージメント介入開始5年後の2010年4月~6月の間に当院当科入院患者274名(男女比174:100、年齢66±14歳、悪性疾患:良性疾患141:133)を対象にSGAと在院日数について調査し、介入前の結果と比較検討した。【結果】1.入院患者の約5割にSGAでの栄養不良群が存在した。2.SGAは、BMI(body mass index)・%AMC(arm muscle circumference)・%TSF(triceps skinfold thickness)・アルブミン値・総コレステロール値・リンパ球数の客観的栄養指標と相関を認めた。3.在院日数は悪性疾患群・胆膵疾患群にて有意に長く、SGA・%AMC・%TSF・アルブミン値と相関を認めた。4.多変量解析にて在院日数を予測するうえでSGAが最も優れていた。5. 栄養マネージメント介入後の調査でも、約5割にSGAでの栄養不良群が存在し、在院日数と相関を認めた。6.在院日数は栄養マネージメント介入後、全体で38.7%に短縮し、栄養不良群(35.6%)では栄養良好群(42.5%)より有意に短縮していた。【結論】SGAは消化器疾患領域において栄養障害のスクリーニングに有効であり、栄養障害を認めた患者は在院日数の長期化が予測された。また栄養マネージメント介入が在院期間の短縮の一助となることが示唆された。 |
索引用語 |
主観的包括的評価, 在院日数 |