セッション情報 シンポジウム8(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)

消化器疾患における栄養マネージメント

タイトル 消S8-3:

エネルギー代謝からみた炎症性腸疾患の栄養管理

演者 佐々木 雅也(滋賀医大附属病院・栄養治療部)
共同演者 辻川 知之(滋賀医大・消化器内科), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫))
抄録 【目的】クローン病や潰瘍性大腸炎は高率に栄養障害を呈する疾患であり、静脈栄養や経腸栄養による栄養管理は栄養状態の改善の目的のみならず、疾患の治療としても重要である。栄養管理においては、適切なエネルギーと蛋白質を投与することが必須であるが、炎症性腸疾患の活動期に適切なエネルギー投与量を設定することは、必ずしも容易ではない。今回、間接熱量測定(IC)により、炎症性腸疾患患者の安静時エネルギー消費量(REE)を算出し、エネルギー代謝の変化と、これに関わる要因について検討した。【方法】活動期クローン病患者16例(男性11名女性5名、平均年齢36.0歳)、中等症~重症の潰瘍性大腸炎13例(男性8例女性5例、平均年齢31.8歳)を対象とし、ミナト医科製の間接熱量測定計AE-300Sを用いてREEと呼吸商(RQ)を測定した。得られた成績は、健常人から算出したREE、RQと比較するとともに、Harris-Benedict式(HB式)より算出した基礎エネルギー消費量(BEE)とも比較検討した。また、疾患活動性との関連についても検討した。【成績】活動期クローン病のREEは24.4±2.4kcal/kg/dayと、健常人に比べて高い値であったが、HB式から求めたBEEに比べて有意に低値であった。REEと疾患活動性の間に相関は認めず、BMI18.5以上とBMI18.5未満とに分けて比較しても有意差はなかった。一方、活動期潰瘍性大腸炎のREEは26.4±2.4kcal/kg/dayとさらに高値であり、Lichtigerのdisease activity indexと相関した。【結論】ICによる消費エネルギー量の測定は、投与エネルギー量の設定に有用であった。IC測定の結果からは、活動期クローン病では理想体重あたり25-30kcal/day、中等症から重症潰瘍性大腸炎では、理想体重あたり30-35kcal/day以上のエネルギー投与が必要と示唆された。
索引用語 炎症性腸疾患, 間接熱量測定