セッション情報 |
シンポジウム8(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)
消化器疾患における栄養マネージメント
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タイトル |
消S8-4:クローン病治療における抗TNF-α抗体と成分栄養療法についての検討
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演者 |
大塚 博之(山梨大・1内科) |
共同演者 |
小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 |
【目的】クローン病の治療は、抗TNF-α抗体 (IFX) の出現により劇的に変わった。成分栄養療法 (Elemental Diet:ED療法) は負担の大きい治療法であるが、IFX投与下におけるED療法の変化と効果について検討した。【方法】IFX導入後の寛解状態、投与期間の短縮または投与量の増加を行った効果減弱例、ED 摂取量と中止例、IFXとED療法の併用効果を検討した。寛解状態は、大腸内視鏡検査で活動性の潰瘍のないものとした。【対象】IFXを導入した52例 (男性36、女性16例)、平均年齢37.0才 (16-77才)、病変範囲は小腸大腸型 (n=39)、大腸型 (n=8)、小腸型 (n=5)。IFX導入後の期間2.3年 (0.3-5.1年)。【結果】IFX導入後6か月以上経過した例における寛解維持率は61.1% (22/36)、一方、効果減弱例は13.5% (7/52) にみられた。ED摂取量はIFX導入前の平均950Kcalから760Kcalに190Kcal減量していた (p<0.01)。このうち、IFX導入後、ED療法を中止できたのは17.3% (9/52) であった。寛解維持とED摂取量については、IFX導入前に活動性の潰瘍が確認されたうちの53.6% (15/28) で潰瘍が治癒した。潰瘍が治癒した群のED療法 (900Kcal以上) は73.3% (11/15) に実施され、一方、潰瘍が持続した群ではED療法 (900Kcal以上) は53.8% (7/13) で、ED療法 (900Kcal以上) において潰瘍の治癒傾向が高かった。【結論】IFXの開始により、約60%に寛解維持が得られたが、効果減弱例が13.5%にみられた。IFX投与下におけるED療法は、IFX導入により約190Kcak (20%) の減量となり、約17%の例で中止できた。寛解維持とED摂取量については、潰瘍の治癒は900Kcal以上のED摂取で高い傾向がみられた。 |
索引用語 |
クローン病, 成分栄養療法 |