セッション情報 |
シンポジウム8(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会・消化吸収学会合同)
消化器疾患における栄養マネージメント
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タイトル |
消S8-6:頭頸部腫瘍症例の予防的PEG施行者における栄養管理の検討
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演者 |
石垣 沙織(北海道大病院・3内科) |
共同演者 |
羽田 政平(北海道大病院・3内科), 加藤 元嗣(北海道大病院・光学医療診療部) |
抄録 |
【目的】経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は,主に摂食不良・嚥下障害となった患者に対して行われて最近増加している.近年,頭頚部癌の放射線・化学療法(CRT)前にPEG施行し良好な完遂率を認めたとの報告がされている.このたび,当院において予防的PEG施行者を中心に栄養管理について検討した.【方法】2006年1月から2008年12月までに当院してPEG施行した94例(男性65例,女性29例,平均年齢60.1歳)を対象に後ろ向きの解析をおこなった.嚥下障害や誤嚥予防のためにPEG施行した摂食障害群は47例で、放射線または放射線化学療法に備え予防的にPEG施行した予防的PEG群 は46例である。両群における臨床背景とPEG施行後の転帰、予防的PEG群における放射線化学療法の成績と栄養管理について検討した。【結果】予防的PEG群は摂食障害群より有意に体重、血清アルブミン値は高かった。摂食障害群と予防的PEG群の胃ろう使用率は100%と85.7%、胃ろう抜去率は、6.4%と67.4%であった。PEG施行の中央値はCRT開始から7日目で、胃ろうによる栄養管理はCRT開始から中央値20日目であった。予防的PEG群でのCRT前後での体重変化はなかったが、アルブミン値は若干低下した。胃ろう抜去はCRT後平均43日目であった。PEG施行症例のうち,栄養士による栄養アセスメントが行われた症例は89例(94.6%)であった.NSTへ依頼があった症例は8例(8.5%)であった。【結語】大学病院では予防的PEGの頻度は多く、治療中の栄養管理に有用で半数以上は治療後に抜去可能であった。PEG施行症例のうち多くは栄養士による栄養アセスメントが行われていたが、投与カロリーに関しては個々の症例で比較的大きな差が認められた。 |
索引用語 |
PEG, 栄養管理 |