セッション情報 シンポジウム10(消化器病学会・肝臓学会合同)

C型肝炎治療の新たな展開

タイトル 肝S10-2:

ウイルス変異と宿主ゲノム解析から見たPEG-IFN+RBV療法とprotease阻害剤の適応の検討

演者 坂本 穣(山梨大附属病院・肝疾患センターDELIMITER山梨大・肝疾患地域先端医療システム学)
共同演者 前川 伸哉(山梨大・肝疾患地域先端医療システム学DELIMITER山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するPEG-IFN(P)+RBV(R)療法の治療効果をウイルス変異と宿主ゲノムから総括し、P+R+Protease阻害剤(PI)適応につき検討した。【方法】2003年12月から当科および関連施設で組織するY-PERSに登録されたP+R 1004例、55.0±10.4歳(17~80歳)、M/F=568/436、1b/2a/2b/その他=660/182/130/32を対象とし、HCVウイルス変異(ISDR、IRRDR、コアアミノ酸、既知のPI耐性変異)と宿主のIL28B、ITPA SNPsと治療成績の関係を検討した。【結果】1)1b/2a/2b型のSVR率はITT解析で51%(221/434)、87%(96/111)、80%(67/84)であり、多変量解析によるSVR規定因子は2a+2b、F因子≦1、IL28B TT、(Odds比6.4、3.8、3.5)であった(p<0.001)。2)1b型の標準治療期間(≦52W)ではIL28B T/T、ISDR変異数≧1、IRRDR変異数≧4(Odds比20.2、16.3、17.2)のウイルス変異・宿主因子が独立のSVR規定因子であった(p<0.005)。3)1b型のLVR例の多くは延長投与(72W)されたがSVR規定因子はF≦1、ITPA AC+CCで、薬剤Adherenceが維持できればSVRが達成された。4)1b型のP+R療法開始前(PI未投与)の13%(34/261)にPI耐性変異が見られ、I153LとV36I+I153VではHCVRNA量が多い傾向にあった。しかし耐性変異とP+R療法の治療効果には関連がなく、P+R療法により新たにPI耐性変異誘導はなかった。5)P+R+Talaprevirの6例はIL28B、ISDR、IRRDRの難治要因によらず全例SVRであった。【結論】C型慢性肝炎に対するP+R療法は、2a+2b型、F≦1、IL28B TT(major)ではSVRが期待でき、1b型でもISDR/IRRDRに一定数変異があればSVR期待でき、LVR例では宿主難治要因も克服できる可能性が示唆された。またPI耐性変異はPI未投与例にも見られるがP+R療法治療効果には影響がなく、P+R療法で耐性獲得されることもなく将来のP+R+PI療法の障害になることはないと考えられた。
索引用語 C型肝炎, NS3 protease阻害剤